明日から、過去になる ~東京ヤクルトスワローズ・熱燕~
東京ヤクルトスワローズの2022チームスローガンが、1月30日発表されました。
『熱燕-NEXT STAGE-』
昨季のスローガンが発表されたのは、2020年1月26日のファン感謝DAYでした。
例年よりかなり遅れての発表となりましたが、シーズン終了が11月27日でしたから。
『真価・進化・心火』
私は「心火」という言葉を造語だと思っていました。しかしちゃんと辞書に載っている単語でした。
おばさんと呼ばれる歳になっても、知らないこと、たくさんあります。
この「真価・進化・心火」が、“ホップ・ステップ・ジャンプ”だったことを、ペナントレースが終わってから私は知ることになります。
2021クライマックスシリーズ進出時
”真価”を発揮する時がきた。
2021日本シリーズ進出決定時
俺たちの”進化”は誰にも止められない。
日本一決定を祝して
この”心火”はこれからも燃えつづける。
まるでこの結末が分かっていたかのようなチームスローガンに、私は震えました。しかし、東京ヤクルトスワローズ監督・高津臣吾には、あのファン感謝DAYの日からこの光景が見えていたのかも知れません。
天晴れ!
高津臣吾。心底、天晴れな人です。
……いや、ちょっと待って。「心火」とは、「火のように激しく燃え立つ、怒り・恨み・嫉妬 (しっと) などの感情」とあります。
日本一にまで上り詰めたヤクルトがまだ、「怒り・恨み・嫉妬(しっと)」を抱えているというのでしょうか。
CSファイナルの前、神宮球場で“高津訓示”がありました。その中で、高津監督は「僕たちは横綱じゃない。いつでも前のめり。いつも向かっていく」と、そう選手たちに言いました。
2年連続最下位という苦汁を舐めてきたヤクルトは、リーグ1位で迎えたクライマックスシリーズも、横綱相撲ではなく、挑戦者の気持ちで戦うのだと、そう監督は言ったのです。
「いつでも挑戦者」。この心に火を灯すことを止めない姿勢が、ヤクルトの戦い方だと、監督はそう言っているのだと思います。だから、「この“心火”はこれからも燃え続ける。」これで、正解です。
2022年シーズンは『熱燕-NEXT STAGE-』。高津臣吾の脳裏には、どんな「熱燕」(熱演)が浮かんでいるのでしょう。
そして私も同じ光景を、10か月後、見ることができるでしょうか。
絶対見せてくださいね、監督。楽しみにしています。
さて、明日からNPBプロ野球チームはキャンプインを迎えます。
野球ファンは、春季キャンプスタートの2月1日を年始とし、「あけましておめでとうございます」のあいさつを交わします。
明日から、昨年の栄冠も笑顔も、もう過去になります。「絶対大丈夫」も。少し、さみしいかな。
それでも、「絶対大丈夫」を胸に、極めて冷静に、そして熱く戦い抜いた一枚岩のチームスワローズは、明日、新たな季節への一歩を踏み出す大きな力に、きっとなります。
もうすぐ、年が明けます。