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たったふたりのマウンド会議
1点ビハインドで迎えた6回裏。2アウト一塁の塁の場面で、キャッチャー・伊藤光がマウンドに駆け寄った。
ピッチャーは、濵口遥大。敵チームの小川泰弘とは、5回終了時で球数67の同数。被安打は小川3、濵口2。互いに譲らない投手戦だった。
山田哲人をフォアボールで歩かせ、4番・村上宗隆を迎えるこの場面で、マウンド会議が始まった。私はフレーム越しにそれを見守る。
しかし、マウンド会議の参加者が増えない。通常、内野手が集まるマウンド会議は、バッテリー会議のまま進行した。
二人で、バックスクリーン方向を向いたまま、しばらく話をしている。ずいぶん長い時間に感じる。いつものようにグローブで口元を隠すこともしていないが、当然、会話は聞こえてこない。
途中、伊藤光が濵口の肩に手を置く。また少し会話は続き、バッテリー会議は終了となった。
会議が功を奏したか。村上宗隆をファーストゴロに打ち取り、失点を防いだDeNAは、小川-マクガフを打ち崩せず、無得点のまま試合を終えた。ナイスピッチングだっただけに、悔しい敗戦だった。
しかし、高校野球のような、このめずらしい場面。ピンチの場面で開かれた、たったふたりのマウンド会議で、バッテリーはともに闘っていた。
R3.5.22 sat.
S 1-0 DB
明治神宮野球場