希望しかない1・2番コンビ!並木秀尊と元山飛優
誰だ!雨男は!
よりによって、試合の日を狙って雨が降る、いや、豪雨が降り注ぐのか。一体、誰のせいだ。
北海道日本ハムファイターズでは、雨男の犯人捜しが繰り広げられていた。
なすり合う、ファイターズ。楽しすぎる。
東京ヤクルトスワローズでも、二度の練習試合が中止となり、急遽、実践に切り替え、紅白戦を行うことになった。
土日限定の浦添キャンプ中継で、高津臣吾監督が先発の二人の名前を上げる。
寺島成輝
金久保優斗
寺島成輝は、今年5年目。名門・履正社高校で甲子園に出場し、U-18日本代表にも選ばれた。最速150km/hの左腕。侍ジャパンのユニフォームを着ての、鳴り物入りの入団だった。しかし、肘の炎症に苦しめられ、一軍で投げられたのは数試合だった。
金久保優斗は、寺島の一つ下。彼もまた、入団直後にトミー・ジョン手術をして、長い期間離脱していた。
昨季、ふたりは、一軍の舞台で勝負するところまでたどり着いた。
寺島は、セットアッパーとして20試合を投げ、初勝利も挙げた。
金久保は、初先発登板で5回無失点(勝敗つかず)というナイスピッチングを見せた。
二人とも、苦しいプロ生活のスタートだった。しかし、まだ若い。ヤングスワローズのヤングピッチャーズの先発。ファンが沸き立たない理由がない。
スタメンが発表された。
【紅組=先攻】 【白組=後攻】
1(中)塩見 1(中)並木
2(右)坂口 2(遊)元山
3(左)荒木 3(三)広岡
4(三)村上 4(一)西田
5(遊)西浦 5(二)宮本
6(一)松本友 6(捕)中村
7(捕)古賀 7(左)山崎
8(二)太田 8(右)中山
先発=寺島 9(指)松本直
先発=金久保
打順、バッティング、守備位置。いろいろ見たい、調整したい、試してみたい。そんな時期なのだろう。
だからこそ、こんな「白組の1・2番」のような起用ができるのだ。
大卒ルーキーの並木・元山の1・2番コンビ。ぜひ見てみたい!そんな期待を大きく越えるプレーが、初回から飛び出した。
1回裏の攻撃。1番・並木は、初球を叩きセカンドゴロに倒れる。しかし、セカンド・太田賢吾の送球が逸れ、1塁セーフとなる。エラーでの出塁だが、そこは並木。そんなラッキーパンチだけではない。彼は、「サニブラウンに勝った男に勝った男」なのだ。
中学陸上200mでサニブラウンに勝った、北海道日本ハムファイターズ・五十幡亮汰。その五十幡に、大学日本代表候補合宿の50メートル走で、手動計測ながら勝ったのだ。
俊足を売りにした並木が、相手のエラーを誘い、いきなりの出塁。1番打者の役割をしっかり果たした。
そして2番。元山飛優は、名手・宮本慎也の背番号6を与えられた期待のルーキーだ。その元山が、並木と同じく初球、センター返しのクリーンヒットを打つ。
並木はスタートを切っていた。ランエンドヒットで、2球にしてノーアウト1・3塁という状況をつくりだした。その後、3番・廣岡大志の犠牲フライで並木が生還。理想的な形で1点を先取した。
驚くのは、このランエンドヒットがノーサインだったことだ。並木の「元山なら打ってくれる」という自己判断の「ゴー」がはまった。
並木と元山は、親友なのだった。
これ、希望しかないっしょ。