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母の日・山田哲人
5月8日日曜日、「NPBマザーズデー」が開催された。
MLB(メジャーリーグ)では、以前から球団の垣根を越えた共通のイベントが行われている。
5月第2日曜日の母の日も、そのひとつだ。
女性向けのイベントは各球団行っているが、プロ野球12球団と NPB(一般社団法人日本野球機構)、選手会(一般社団法人日本プロ野球選手会) の三者合同で開催されるこのイベントは、日本球界の新たな取り組みとして昨年から始まった。
母への感謝を込め、選手たちはピンク色のリストバンドやアームスリーブ、スパイクなどの野球小物を着用する。
また、マザーズデー仕様のピンクバットやグローブなどの野球道具を特注し、このイベントを盛り上げている。
屈強な体の男性がピンクに囲まれている光景は、いかにも愛らしい。
しかし、NPBのイベントページにはこんな記載がある。
※ピンク色のバットやスパイクはこの日に限り特別に使用が許可されます。
バットやスパイクは普段使用が認められていないようだ。
東京ヤクルトの外野手・濱田太貴は、普段からバッティンググローブやリストバンドにピンク色を取り入れているが、それは問題ないのだろう。
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@au3_plum
山田哲人の姿は当然、母の日にもあった。
今日が何の日であっても、山田哲人は3番スタメンで出場する。
そして山田は、マザーズデーの装備で試合に臨んだ。
山田哲人の母は、以前、サンケイスポーツ発行のタブロイド紙「丸ごとスワローズ」に掲載された山田の高校進学にまつわるエピソードで、ヤクルトファンに知られることとなった。
山田は、大阪・履正社高校の出身だ。
名門・大阪桐蔭高校への進学を夢見ていたが、母に「寮生活になるからやめなさい」と半ば脅され、履正社高校への進学を決めた。
息子・哲人が、寮生活をする。しかも、野球エリートが集まった名門校で。
息子の持っているものを一番近くで理解し、哲人を褒め育てた母には、見えるものがあったのだろう。*1
のびのびと育てた哲人が、のびのびと野球をできる環境に身を置くことを第一に考えられるのも、母だからこそ。
我が子に合った進路をすすめた、この母の視点があって、山田哲人の今がある。そう感じさせるエピソードだ。
当時、兵庫県宝塚市に住居を構えていた山田家。大阪府豊中市にある履正社高校までの通学を考え、父は豊中市への転居を決断した。
高校までは、自転車で15分。親元からの“チャリ通”で過ごした3年間で、山田哲人は甲子園出場を果たし、のびのび野球をさせてもらえる球団に入った。*2
そして、球界を代表する野球選手になった。
母は、息子をまぶしく見ているだろう。
野球で輝く息子を、ほほえましく見ているだろう。
だが、見ていて思うのだ。
これからもずっと、のびのび野球をしていてほしい。それが、母心というものだと。
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@au3_plum
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*2