「特徴がない」大下佑馬の挑戦
「ぼく、転向したばっかりなんで」
NHK BSの野球番組「球辞苑」。一つのテーマを深く掘り下げて野球を楽しむ、カルトな野球番組だ。
野球を学んだことのない、自分でしたこともない私からしてみれば、その奥深さにただ感心し、来シーズンの野球を見る楽しみが増す、シーズンオフの知識欲を満たせる番組だ。
今日、12月25日クリスマスのテーマは「サイドスロー」。
サイドスローの魅力とその技術、攻略法に至るまでを、関係者のインタビューで聞き込み、徹底解明していく。
サイドスローのインタビュイーに、東京ヤクルトスワローズの投手、大下佑馬が名を連ねていた。
大下は、2017年ドラフト2位で東京ヤクルトスワローズに入団した。
亜細亜大学から三菱重工広島を経て入団した、大下。大卒社会人、ドラフト2位となれば、即戦力として期待されての入団だ。
しかし、2018年から2020年まで3年間で、2勝4敗。背番号は「15」から「64」へと変更された。
2021年。「特徴がない」と言われ、「右のサイドスローがいないな」と、尾花高夫コーチと相談しながら取り組み始めたそうだ。
大卒社会人が球界に入るのは、最短で24歳。それまで、常にエリートで最高峰の野球環境に身を置いていた選手が、それまでのやり方を捨てて、新たなことに挑戦する。
相当な勇気と覚悟なのではないか。それでも、芽が出なかった3年間と、重くなった背番号を背負い、「このままじゃクビになる」と、腕を下げて投げることを始めた。
今日の球辞苑。「録画します」と大下は言った。
「ぼく、転向したばっかりなんで」。そうだ。大下佑馬の挑戦は、まだまだ続く。
躍動せよ。大下佑馬!
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