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目の前にある、全力 ●D×S○6回戦

終盤の逆転と同じくらいのストレスは、例えばどんな出来事なんだろう。

勝負事だ。人がしている事だ。だから、絶対はない。そうは分かっていても、このヒリヒリを回避する方法はないかと考えるのは、人間に備わった防御本能なのだと思う。

8回裏、A・マルティネスの同点タイムリー。そして押し出しで逆転。自滅という点の取られ方は、余計に後を引く。それでも、今季不調といえるマクガフのことを、とても責められない。昨年の投壊ヤクルトで、離脱した石山に代わりストッパーにまわって1年投げ続けてくれた、マクガフ。体も辛いだろう。調子が上がる日を待とうと思う。どうか無事でありますように。スコットさん。

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9回表。5-4。ここで点を入れなければ、まけじあいだ。同点にしたところで、9回裏はビシエドまで打席が回る。ぐう聖タンケさんも、敵チームからすれば、ただ怖い。

ここから、怒涛の逆転劇が始まった。

マクガフの代打、青木宣親。いつも頼りにされている、キャップ。今日1日は、肩の荷を下ろして、ゆっくり体を休めてもらわなければいけなかった。でも、頼らざるを得ない状況になってしまった。なんだか申し訳なかった。

その青木は、あと少しでホームランという当たりの、フェンス直撃ツーベースで1アウトから出塁する。代走、渡邉大樹。
打順は1番に帰り、坂口智隆。フォアボールを選び1アウト1・2塁。
2番・山田哲人。中日・岡田俊哉の暴投から、申告敬遠。1アウト満塁。
坂口の代走、上田剛史。塁上の渡邉大樹、上田剛史、山田哲人。3人とも、足が速い。
そしてバッター、3番・山崎晃大朗。

レフト前へ、逆転の2点タイムリー!5-6!こーたろー!こーたろー!

そして、4番・村上宗隆。この人は、ヤクルトファンに希望しか与えない。こーたろーと同じ、レフト前の2点タイムリー!5-8!むね!むね!

続く5番・廣岡大志の打席。カウント1-2。ここで、村上宗隆が三盗に成功する。

これだ、これ。逆転から、自らの手で手繰り寄せた追加点。それでも攻撃の手を緩めない。この二十歳の怪童は、勝ちたいのだ。
あの大きな体からイメージできないかもしれないが、村上もまた足が速い。村上が塁にいること。それもまた、ヤクルトファンのワクワクだ。普段はゆっくり一周するだけだから、そんな光景を見ることも少ないのだが。

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今日のヒーローインタビューは、逆転のタイムリーを打った、山崎晃大朗。

—— 放送席、放送席。ヒーローインタビューです。今日のヒーローは山崎選手です!ナイスバッティングでした。

「ありがとうございます」

—— どんな気持ちで、バッターボックスに入りましたか?

「そうですね、2ボールになって、監督から“打っていいよ”っていう風にベンチから声を掛けていただいたんで、積極的に自分から仕掛けようと思いました」

—— 打った瞬間の感触を聞かせてください。

「んー、まあ“いい当たり飛んだなー”と思って(ニヤリ)、すごく、よかったです」

—— 逆転の2点タイムリー、大きな一打になりましたね。

「そうですね、まあ、今日は3番に入って、坂口さん、山田さんが前にいるんで、えー、なんて言うんですかね、絶対にランナーを帰すという強い気持ちでいったんで、いい結果になってよかったです」

—— 3安打の猛打賞です。これについてはいかがですか。

「そうですね、4番に村上がいたんで、えー何とか出塁して、チャンスを作ることを意識していたんで、結果3本出てよかったです」

—— 首位ジャイアンツ敗れまして、まだスワローズ3位のままなんですが、首位と1.5ゲーム差に迫りました。これについていかがですか。

「そうですね一戦一戦、えー、チームとして、一戦必勝でやっていくだけなんで、えーまだまだ始まったばかりなんで、えー目の前の試合を一生懸命戦っていきたいと思います」

—— 長いロードが続きます。明日からの意気込みを最後に聞かせてください。

「(沈黙)そうっすね、えー、(小声)んー。ま、目の前の試合を(半笑い)、一生懸命、チームとして、頑張って、勝てるように、やっていきたいと思います」

—— ナイスバッティングでした。今日のヒーロー、山﨑選手でした。ありがとうございました。

「ありがとうございました」

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最後の二答。大切なことなので2回言いました。笑
こーたろーのヒーローインタビュー。うれしい。目の前のことを、全力で。当たり前のことかもしれないが、相手あっての野球。そう簡単に結果は出ない。それでも、目の前のことを全力でし続ける山崎晃大朗は、いつでもヒーローだ。

心残りは、好投した先発・高橋奎二に勝ちを付けられなかったことだ。
5回2失点。ビジター中継でここまで褒められるものなのかというほど、実況のCBCテレビ・水分貴雅アナウンサーの「ナイスボール!」が止まらない。失点の後も引きずられることなく、速いストレートで抑える。マウンド度胸も満点だった。高橋のような若いピッチャーが見せる強気のピッチングは、本当に爽快だ。これからも、結果を恐れず、攻めの姿勢でマウンドに立ってほしい。次は、高橋奎二にすわほーでありますように。

R2.7.9 thr.
D 6-8 S
ナゴヤドーム

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