負けるもんか!同級生 野村佑希と万波中正

今日のヒーローは、ジェームスだった。

「明日もしっかり勝って、3連勝して、チームに良い流れを持ってこれるように頑張りたいと思います」

まだ二十歳の若者が、チームを担う責任を負い、そう発言していた。

野村ジェームス佑希。アメリカ生まれの彼は、ミドルネームと二重国籍を持つ。ファンは親しみを込め「ジェームス」と呼んでいる。

2対2で迎えた9回。ノーアウト1・3塁の場面で、ジェームスは勝ち越しとなるタイムリーツーベースを打った。続いて昨日のヒーロー、淺間大基の犠牲フライで1点、大田泰示の犠牲フライで1点を追加し、そのまま逃げ切った。

やはり、ジェームスか。高卒3年目にして、レギュラーをつかみ取ったそのバッティングは、ファンの心をつかんで離さない。
ジェームスがなんとかしてくれる。ジェームスが打てないなら仕方ない。
そう思わせるような、大物だ。

しかし今日、もうひとりの大物が、とうとう一軍デビューを果たした。

万波中正。まんなみちゅうせい。ジェームスと同級生の彼は、2018年ドラフト4位でファイターズに入団した。
この年のドラフト1位は、夏の甲子園で金農旋風を巻き起こした吉田輝星。2位が、ジェームスだった。

まんちゅーは、名門・横浜高校で1年からベンチ入りしていた、野球エリートだ。190cm/90kgの「恵体」に、俊足。肘の使い方がやわらかく、投打に生かされている。

そんな、まんちゅーの公式戦初安打から始まった5回の攻撃。まんちゅーのツーベースヒットから、続く清水優心のタームリーヒットで1対1の均衡を破った、貴重な勝ち越しとなった。

同級生ジェームスの活躍を見て、悔しくないわけはない。それでも、まずは目の前の試合に全力を尽くすことしか、ルーキーにできることはなかった。
鎌ヶ谷スタジアムで、打って走ったまんちゅーは今日、一軍で結果を出した。

これからも、この同級生対決は続く。負けるもんか!その気迫を持って、グラウンドで火花を散らしてほしい。
その火花で明るく照らされたグラウンドは、きっと熱い!

R3.4.10 sat.
B 2-5 F
京セラドーム大阪

ジェームスが引き寄せた今日の勝利は、栗山英樹監督の球団歴代単独トップとなる、監督通算632勝の特別な勝利だった。
今季からクローザーとなった杉浦稔大から、ウィニングボールを渡された栗山監督。
ジェームスと記念プレートを持って写真に収まるその笑顔が、ファイターズの歴史に刻まれた。

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