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エスキーさんは神宮を楽しんでくれただろうか

エスキーさんは、つば九郎の「空中くるりんぱ」がお気に入りだった。
失敗するたび、爆笑。試合前のアップ中に、つば九郎さんの前で自ら空中くるりんぱをやってみせ、笑っていた。

そんな、つば九郎に“笑かされる”エスキーさんを見たのは、シーズンも終盤に入ってからだった。

気づかなかっただけだろうか。それまでも毎試合、つばさんは空中くるりんぱをしていたというのに、今になってウケるなんて。

無観客試合で有名になったのは、エスキーさんが熱心にメモを取る姿だった。
大きな体を小っちゃく折りたたんで、背中を丸くして、書いている。

かわいい。勉強家だね。応燕したくなる。

評価され、高額年俸で呼ばれたからには、結果を出さなければ残れない。できて当たり前。そんな役割を与えられた助っ人は、どんな気持ちで神宮にいたのだろう。
空中くるりんぱを楽しむ余裕もなくシーズンの大半をを過ごしてきたのならば、その重圧に私の胸は痛むのだ。

私は今シーズン、MLBゴールドグラブ賞の野球を楽しんだ。

私がエスキーさんの野球を楽しんでいたように、エスキーさんが少しでも、神宮を楽しんでくれていたのなら、うれしいのだが。

アルシデス・エスコバーが、退団する。思いもよらなかった。涙がこぼれないよう、「インスタでつながってるから、また風呂場で爆音歌唱インスタライブしてね」と明るく手を振るしか、今の私にはできない。

来てくれてありがとう。ヤクルトのこと、チームメイトのこと、神宮のこと、ヤクルトファンのこと。忘れないでね。忘れないでほしい。

今年のオフは、辛い。

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