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ヤり返せ! ヤクルトらしさを取り戻すために

東京ヤクルトスワローズの2024年チームスローガンが、1月30日、発表されました。*1

東京ヤクルトスワローズ オフィシャルウェブサイトより

ヤり返せ!

「ヤ」がカタカナです。ヤクルトの「ヤ」は、スポーツ紙の見出しでよくこのように使われます。

親の同伴なしに都内に出かけられるようになった高校生の私は、部活終わりに1時間以上かけて、たびたび神宮球場まで野球を見に行きました。
当時はまだ黄金期前。ヤクルトは、万年Bクラスと揶揄される、弱いチームでした。
私が観戦した日も、きっと負け試合が多かったのでしょう。
終電間際の電車に揺られて暇つぶしに考えていたのは、「明日の新聞の一面見出し」でした。

ってられない 痛恨エラー
だ めろ! 悪夢の連敗
もうめだ 関根んの恨み ※関根潤三監督時代

なかなか上手いでしょ? JKの割に、しっかりオヤジ寄りのスポーツ紙をつくっています笑。
テレビでしか見ることのない野球選手と同じ空間にいたワクワク感は、いつもの敗北も満員電車の不快も吹き飛ばす、至福の時間でした。

野球場にいることが楽しいと思えるのは、何十年と経った今でも変わりません。
しかし、連覇からの失速を目の当たりにした昨季、私は野球を楽しめなくなっていました。

優勝を知らなかった高校生の私と、黄金期、そしてその黄金期以来のリーグ連覇を経験した今の私では、優勝に対する意識の差があって当然でしょう。
しかしそれ以上に残念だったのが、「ヤクルトらしい野球を見られなかった」ということです。

高津臣吾監督は、師である故野村克也氏から受け継いだID野球と、時代を超えたチームカラーであるファミリー球団としての団結力を、「これが我々の野球だ」と言い切りました。
そして、ヤクルトの選手たちは、一人ひとりが頭を使い、誰かのミスは全員でカバーする、一枚岩のチームスワローズで戦い、2年連続最下位からの下剋上優勝を果たしました。

ヤクルトらしい勝ち方でもぎ取った優勝の、なんと価値あることか。
これが我らのアイデンティティで、私が大切に思ってきたヤクルトスワローズのあるべき姿だと、心から誇りに思いました。

「ヤり返せ!」。このスローガンの真意を、我らが指揮官はこう説明しています。

昨年は、球団史上初のリーグ3連覇、
日本一奪還を目標に掲げスタートしましたが、
非常に悔しい結果となった2023年でした。

この悔しさを晴らすため、強くなるために
変化を恐れずに臨む今シーズン。
「必ずやり返すんだ!」という
強い気持ちを持ち、
リーグ優勝・日本一奪還を
再び目指して戦います。

今シーズンも皆さまの熱いご声援を
よろしくお願いいたします。


東京ヤクルトスワローズ 監督 髙津臣吾

https://www.yakult-swallows.co.jp/pages/company/slogan

昨季のスワローズは、目標とは程遠いところで戦っていました。
負けが続いてチームは元気をなくしていき、勝利はさらに遠ざかりました。
ここにある「必ずやり返すんだ、という強い気持ち」。
苦しくても戦い続けた選手には申し訳ないのですが、昨季はそれを感じる場面がなかったように思います。

監督、戦いましょう。強い気持ちで、ヤり返しましょう。
そして、神宮から消えた笑顔を、取り戻しましょう。

プロ野球ファンの間では、2月1日、「あけましておめでとうございます」というあいさつがかわされます。
球春到来。もうすぐ、年が明けます。

令和6年1月31日 田村あゆみ「ヤり返せ!」

*1


2023年の決意

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