打つべき人 近藤健介と王柏融
「打つべき人が打てば、勝てるということが分かりました」
今日のヒーローインタビューで、今季3勝目をあげた先発・上沢直之の言葉だ。そしてその「打つべき人」とは、この人のことを指していた。
近藤健介。私は、コンちゃんのことを知らなかった。2017年、GAORAの中のファイターズと出会い、たくさん勉強する中で、コンちゃんが「4割男」と呼ばれていることを知った。
夢の4割バッターに、最も近い男。2016年の日本一に貢献したとは言えない選手が、こんな評価で注目されているということに驚いた。
横浜高校では、捕手だった。プロに入っても捕手登録だったが、私はコンちゃんのキャッチャー姿をアーカイブ映像でしか見たことがない。2019年から、外野手登録になった。
送球に課題があったとも言われているが、それに加え、打撃に専念させるべく配置転換をするのも納得だ。コンちゃんはどう捉えたか分からないが、コンちゃんの優れたバットコントロールなら、DH制のパ・リーグでいくらでも4割バッターになる機会がある。コンちゃんが打つのは当たり前だった。
そして2019年、本当の4割男がファイターズに入団した。
王柏融。台湾リーグで4割台の打率をたたき出し、鳴り物入りで北海道にやって来た。
私はいつも、友人から台湾旅行に誘われる。「台湾は、おじいさんおばあさんが日本語分かるし、食べ物が日本と変わらないから、安心だよ」
そう聞くと、俄然行きたくなる。「行きたい!」そう言いながら、こんな世の中になってしまった。私はいつ、台湾旅行ができるのか。
ワン・ボーロン。ロンロンは、日本の野球で苦しんでいた。2019年は打率.255。2020年は、鎌ヶ谷スタジアムにいるロンロンを見かけた。
台湾と日本。食べ物が同じなら、日本は住みやすい国だろう。体が資本の野球選手にとって、食べることは重要だ。
衣食住が安定し、野球に専念できる環境であったはずの日本で、ロンロンが苦しんでいた。いたたまれなかった。
今日は初回から、ロンロンとコンちゃんのヒットで先制した。5回には、コンちゃんのホームランも飛び出した。
打つべき人が打って、勝つ。
それを証明した日になった。
R3.5.8 sat.
F 4-1 E
札幌ドーム
あぼかど
追記
もう一人!ファイターズには4割男がいる。
樋口龍之介。新潟アルビレックスBCから育成契約で入団したぐっちーは、イースタン・リーグで打率.419を誇り、1年目のシーズン途中で支配下登録を獲得した。
4割男が3人もいる球団。希望がないわけないだろう?
だからファイターズは、コロナにも勝つし優勝する。