動くタピオカくん ○G×S●9回戦
とうとう撮ったのだ。
ちょうど1週間前、8月5日水曜日。阪神ファンの友人に誘われ、急遽仕事を調整していった、ファイターズ鎌ヶ谷スタジアム。北海道日本ハムファイターズ対東京ヤクルトスワローズのファーム戦で、ようやく「動くタピオカくん」を捉えることができたのだ。
武岡龍世くんを初めて見たのは、ドラフト候補者の裏側を再現ドラマとドキュメントで追う「お母さんありがとう」だった。
八戸学院光星というエリート校に所属し、U-18侍ジャパンのメンバーでもある武岡龍世くん。高校野球界では有名だったのだと思うが、私は高校野球をまともに見ていない。なぜって、大抵お父さんお母さんが出てくるじゃない。無理無理、無理。
無理なのを分かって、お父さんお母さんの出てくるこの番組は見ているのだが。
徳島の玉ねぎ農家に生まれた武岡龍世くんは、三世代家族で育った、泣き虫な男の子。武岡龍世くんが試合で負けたとき、見に来ていた八戸学院大学野球部の兄・武岡大聖さんも泣いていたから、泣き虫兄弟なのだろう。
素直な男の子たちだな。かわいいな。
お父さんとお母さんは、遠く青森で野球をする兄弟の試合を見るために、徳島から青森まで遠征する。でも、帰りの飛行機の時間が迫り、息子の試合を最後まで見届けられない。
そこでお父さんはひらめいた!「車で来ればいい」!
私は、お母さんがすごいと思った。徳島-青森という超長距離の車移動に付き合い、息子たちが泣きたいときに泣かせてやる。明るくて、包み込む人だった。
東京ヤクルトスワローズの6位指名で、ほっとした笑顔のあと、ポケットからタオルハンカチを取り出し、泣きだした武岡龍世くん。
こんなかわいらしい子を、このお父さんお母さんからお預かりするんだ。責任重大だな。今の素直な男の子のまま、頑張って野球をしてほしい。最初は戸田からスタートかな。ヤクルトはいい球団だよ。そしてヤクルトファンは、武岡龍世くんのためならなんだってする。だから、真っすぐ大きくなってほしい。
テレビの中でさめざめと泣く武岡龍世くんに、ヤクルトファンとして決意を新たにした日だった。
合同自主トレ、西都2軍キャンプに足を運べぬまま、コロナ無観客試合に突入してしまった今シーズン。私は高卒ルーキー3人が野球をする姿を見ることなく、気づけば梅雨が明けていた。
動くタピオカくんを見た1週間後に、初1軍登録され、初出場を果たし、初打席初ヒットを決めた。
一緒に1軍登録された、濱田太貴も打った。
いい日だったのだ。あとは、勝つだけだった。まけほ。明日もあるよ。いや、未来があるよ!タピオカくん!おめでとう!
R2.8.12 wed.
G 8-1 S
東京ドーム
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