生の声を聴きたい
千葉ロッテマリーンズの2021春季キャンプが、無観客で行われる。
沖縄でキャンプを張る球団が多い中、本島のキャンプめぐりができない、ロッテ。石垣島という離島に、島外からたくさんの野球ファンが訪れる。
万が一、旅行客が新型コロナウイルスを持ち込み、クラスター発生の原因となってしまったら、現地の医療機関に大きな負担がかかる。ベッド数、薬、医療従事者、隔離施設、あらゆること、ものがひっ迫する。
それだけでなく、毎年快く現地を提供してくださる石垣市民の皆様に対する大きな責任がある。
シーズン中は遠い石垣の地から応援してくれている石垣市民を裏切れない。
ロッテ球団の危機管理が問われた結果が、球団としてクラスター発生のリスクをなくすための“見学禁止”だった。
こんなご時世だ。相互監視の目も厳しい。仮に球団が無観客キャンプという方針を打ち出さなくても、「行くのはやめよう」という同調圧力が生まれ、そこに「選手のためを思って」という正論がついて回るのだろう。
昨年のキャンプのときは、クルーズ船の話題に終始していた。それでも、キャンプ途中から、選手との握手、ハイタッチ、サイン等が禁止された。
このときはまさか、開幕が延期になり、ハイタッチどころか球場で声も出せなくなるなんて、思いもよらなかった。
キャンプ取材は、開幕延期のおうち時間を救ってくれた。キャンプは、選手の生の声を聴ける貴重な時間だった。
さて、キャンプ見学はどうなるか。私は、どうするか。