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伊藤裕季也が気になる理由

同じタイプの選手が入ってきた。そりゃあ、面白くない。

伊藤裕季也。横浜DeNAベイスターズ。3年目の内野手だ。
2020年ドラフト2位の中央大学・牧秀悟は、侍ジャパンのユニフォームを着た仲間だった。牧は、長距離砲の二塁手。同じようなタイプを獲るのか。伊藤裕季也は、悔しくて、闘志を燃やしている。

「悔しいから頑張る」ということが日常にあるのが野球選手だ。私は自分の仕事とそんな風に向き合ったことがあるだろうか。野球選手の己に対する厳しさに触れ、背筋が伸びる。
そんなことも、野球を書くことを始めてみて気づいたことだった。

伊藤裕季也の名前を意識したのは、入団後に出た試合でのことだった。

怠慢プレーにラミレス監督(当時)が激怒し、途中交代させられたというニュースだった。
怒りの懲罰人事。しかし、全力プレーに反する姿勢では、チームプレーが成り立たない。信用してグラウンドに送り出せない。指揮官の気持ちがよく伝わるエピソードだった。

しかし、私の心に残ったのは、その日の夜の、伊藤裕季也のつぶやきだった。

伊藤裕季也
@Yukiya0830
ご指摘、ご声援の
メッセージありがとうございます。
全ての方に失礼な
プレーをしてしまいました。
本当にすみません。
これが今の自分の甘さです。
交代させてくれた監督に感謝します。
今日のプレーに限らず
甘さを無くし強い選手になります。
本当にすみませんでした。
また明日から頑張ります。
午後11:20 · 2019年3月7日·Twitter for iPhone

伊藤裕季也はイケメンだ。正直、チャラ男のイメージだった。あんなかわいかっこいい顔面を以てして、野球もできる。そりゃあ人生イージーモードだっただろう。そんなチャラ男がやらかした、チャラいプレー。これでは見た目と中身がおんなじだ。
そんなイケメンへの偏見を持っていた私こそ、反省した。

自分の甘さと向き合い、反省し、切り替え、前を向く。

この強さと素直さがあれば、いくらでも成長できる。希望ある若者の姿がそこにはあった。応援したくなる野球選手だった。

◇◆◇◆◇

その年、ルーキーイヤーの2019年8月14日。神宮ヤクルト戦で、石川雅規のノーヒットノーランを阻止した、伊藤裕季也。

8回1アウトまで投げ続けた石川雅規からホームランを放った。レフトスタンドから流れる絶望のテーマ「ライジング」が、悲鳴のような歓声に変わる瞬間を生み出したのは、伊藤裕季也その人だった。

すごい!やるなぁ。でもね。

石川雅規だぞ。なんてことをしてくれた!笑

頼もしい若者だ。牧と切磋琢磨し、レギュラーを勝ち取ってくれ。また、神宮で待ってるぞ。

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▲2019.8.14 伊藤裕季也のホームランを見送るしかなかった石川雅規


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▲2019.8.14 ノーノー阻止ホームランの伊藤裕季也 ホームインの瞬間

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