しびれる戦い 文春ヤキュウトスワローズ
なぜオフになってもこんなに神経をすり減らさなければならないのか。
文春野球コラムペナントレース2020。セ・リーグ覇者は、東京ヤクルトスワローズ。せめてここでは、優勝したい。そんな監督の悲願達成に、私は1993年のヤクルトスワローズ(本家)優勝を思い出した。
前年、92年の優勝は、ヤクルトにとって二度目。しかし、ファンになって10年目だった私は、78年の初優勝をVTRでしか知らなかった。
初めて経験する優勝に沸く神宮の、あの第1戦。
杉浦享の代打サヨナラ満塁ホームラン!
現地にいたのだ。喜び方が分からない。なんだかもう、何が何だか分からない!
ただ、うれしくて、ありがたかった。それからずっと、野球から離れられずにいる。
そんな、浮き足立っていた私に待ち受けていたのが、日本シリーズ敗退だった。
王者西武に挑んだ。そう、こちらはあくまで“挑戦者”だった。第7戦まで戦ったことを褒めてやろう。そんな、上下関係のある戦いだった。
それでも私は、悔しかった。負けたことが、悔しかった。
こどものころから万年Bクラスの弱いチームを見てきた。負けを悔しいと感じることがなかった。いや、感じることを避けていたのだと思う。
でも、日本一という栄光に手が届くところまできて、それを逃してしまった。
昨年の文春野球コラム日本シリーズ2019。東京ヤクルトスワローズは、負けたのだ。
手に届くところまできて、勝利を逃してしまったこの悔しさ。92年の思いがよみがえる。晴らさでおくべきか。
そんな意気込みで臨む、93年日本シリーズをなぞらえるべく迎えた、文春野球コラムの今シーズンだったのだ。当時と違うのは、優勝してもクライマックスシリーズをはさまなければ日本シリーズにたどり着けないということだ。重要な、第1戦だった。
……さだまさしで負けるか?そんなことある?
しかし私は、もし私がベイファンだったとして、この久保康友で負けたとしたら、これは相当悔しいだろうなぁと思った。
頑なにも自己を律するプロ野球選手の姿。緊張と感動に胸が震える。厳しい世界だからこそ、せめてファンは「どーんとやってこい!」とグラウンドに送り出したい。そんなヤクルトファンの行動が邪魔に思えるような、臨場感ある現場の声だった。
あの戦いで久保が勝てたことにほっとしつつ、いやこっちは負けたんだぞ!目を覚ませ!次は絶対勝つ!そう意気込んだ第2戦はまた、三輪正義で劣勢なのだ。
※R2.11.15 sun. 21:00現在
いや嘘でしょ。連日連夜の苦戦。そんなの嫌だ!絶対に勝ちたい。そんな中、明日の第3戦予告先発の発表があった。
文春ヤキュウトスワローズの意地を感じる。93年と同じだ。悔しいから、絶対に負けたくない!悔しいから!
そしてなぜ、私はオフになってもこんなに神経をすり減らさなければならないのか。もう疲労困憊だ。いや、こんなしびれる戦いを目の当たりにして、人生が楽しい。
クレイジー!野球のある日々。私も、棚卸しの材を選びながら、毎日悲鳴を上げながら、ブログを上げている。頼まれてもいないのに。
クレイジー。でも、幸せだ。
絶対勝つぞ!(文春ヤキュウト)スワローズ!