決めるときに決める、歳内宏明 ●DB×S○21回戦
7回裏。2アウトから、ロペス、倉本寿彦の連続ヒットで代打・山下幸輝を迎える。一発出れば逆転の場面を、歳内は、空振り三振に仕留める。
実況・伊藤隆佑アナウンサーが叫ぶ。「全球フォークで勝負しました!」
私は、遡って5回裏の倉本寿彦への配球を思い出す。1球目フォーク、2・3・4球と連続ストレート。4球目、内角ギリギリに決まったストレートに、倉本は腰を引き、ジャストルッキング。見逃し三振だった。私は思わず「ナイスボール!」と口走っていた。
解説・レジェンド川口和久は言う。「歳内くんは、決めるときに決められるピッチャーですね」
さすがレジェンド。川口和久の配球談義に、私はついていけなかった。野球を知っている人なら、さぞかし楽しい時間だっただろう。こんな、野球を勉強していない私だって、とっても楽しかったのだから。
私は、スリーアウトチェンジでベンチに戻るキャッチャー・西田明央の笑顔が印象に残った。
あきおが、楽しそうなのだ。いつものホッとした笑顔とは違う、バッテリーワークを心底楽しいと感じているような、ワクワクが伝わる笑顔だった。
◇◆◇◆◇
7回の山下幸輝の打席を、ヒーローインタビューで歳内自身が振り返る。
「初球、2球目と(打者が)あんまり合っていなかったな、というのもありましたし、いちばん得意なボールだったので、低く決められたと思います」
歳内宏明が、ともに闘う仲間になってもうすぐ1か月。今年のシーズンは、寒さとの戦いが長い。体、大切に。そしてまだまだ、楽しい勝負を見せてくれ、歳内!今日は、さいほーだ!
R2.10.1 thr.
DB 0-2 S
横浜スタジアム
8回裏、清水昇の投球練習が始まった。川口和久がつなぐ。
「歳内くんはよく投げたし、ヤクルトに入って3試合目でナンバーワンの試合をしましたから、勝ちをつけたいですね。清水くんと、これから石山くんも出てくると思いますけど」
泣かさないで。