前へ、前へ、その先の塁へ2021

山崎晃大朗。173cm/68kgの小さな体と、50m走5.9秒の俊足。すばしっこさに拍車をかけるそのオールドスタイルは、こーたろーのシンボルマークだ。

こーたろーは、今日も走った。

1対0のビハインドで迎えた6回表、先頭の山崎晃大朗は、レフトフェンス直撃のヒットで出塁する。コータローの足は止まらない。深い当たりで三塁まで。ノーヒットで得点圏内。こーたろーは、帰る気満々で塁に出た。

足の速い選手が多い、ヤクルト。解説者たちはよく「ヤクルトの選手は皆、平均点」と言う。
「バッティングだけ長けている、というような目玉選手がいない」と。

ヤクルトは、そういうスカウティング方針なのだろう。打つだけ、投げるだけ、走るだけ。そういう選手が入ってこないことに、ヤクルトファンは何の疑問も持っていない。

それが弱い理由?分からないが、弱いなら弱いなりに、できることはある。

打ったら、走る。走ったら、ホームに帰る。どんなベテランだって、一塁まで全力疾走。ピッチャーだって、タイムリーを打つのだ。手を抜かない集団を、ファンは絶対に見放さない。

前へ、前へ、その先の塁へ。

見放す理由のない山崎晃大朗は、中村悠平の犠牲フライで生還。1対1の同点になった。
タッチアップからの、こーたろーの前傾姿勢は見惚れる。私はホーム側から引っ張ったのか、背中を押したのか。
なにも、していない。声燕が、後押しになればいいと、ただそれだけを思って、応燕している。

ヒーローインタビューは、移籍後初勝利の田口麗斗。故郷・広島凱旋だった。

R3.4.20 tue.
C 1-2 S
マツダスタジアム


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