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エアラインパイロットになりたいと思ったら 読んでほしい note ⑤

アビオンエアラインスクール 
パイロットになりたいひと応援プロジェクト 
 
自己紹介 
うらまつかずこ:  
パイロット養成に関する教育、アドバイザー、コンサルティング会社・㈱エーサップ代表。アビオン・エアラインスクールにてパイロット志望の方への特別コース開催中。元航空局運航審査官。
 
前回は運航トラブルとCRMについてのお話でした。滑走路変更指示で、機長がFMSに入力ミスをしてしまい、FOがチェックしながら見抜けなかったということでした。そのトラブルの背景にCRMがあるということです。
元全日空機長の宮本憲一さんにお聞きします。
 
CRMスキルの要素「ワークロードマネジメント」にも関係ありそうですね。FOがしっかりチェックする時間を考慮していたのかなど。
 
ワークロードマネジメントの一つにタスクマネジメントがありますが、ポイントは優先順位をつけ、捨ててもいいことは捨てる、大事なものに集中するということです。チェックというのは最も重要な作業です。訓練ではタスクマネジメント能力の指導は結構重要なアイテムと言えます。
 
小型機の訓練でもそれは多いです。「今はそれをやるときじゃないだろう」ということが。自社養成採用試験の適性検査ではシミュレータで飛行しながら計算などマルチタスクを課す試験があると聞きますね。
 
そうです。操縦しながら結構複雑な計算問題をやらせるとか。これもバランスに加え優先順位を冷静に判断できるかということではないでしょうか。同時に2つのことをやる能力ではなく、パニックにならずに一つ一つ確実にこなしていける能力をみるのでしょうね。
 
会社が自社養成パイロット候補を採用するときに見るCRMに関する資質というものもあるのですか?
 
採用したパイロット候補者はお金をかけて操縦士に育て、ゆくゆくは機長になってもらわなければなりません。訓練についていける学習能力、技量はもちろんのこと、良好な対人関係が作れる人柄を、3回もの面接などで見ていくのではないでしょうか。私も採用試験に立ち会ったことがありますが、「この人とは楽しく仕事ができるかな」というのが一番の関心でした。
人間関係はコミュニケーションをうまく取れるかということが大きいですから、人の話を素直に聞くことだけでなく、思っていることを相手が受け入れるように話せる能力も必要です。
 
JALのインターンシップのグループワークでは、かなり難しい運航状況を与え、初対面同士での情報共有やディスカッションでの発信力、受信力、調整力を見ているのではないかと思いますが、どうでしょうか。
 
この2年間はオンラインによるグループワークです。これは直接対面していないので、より言葉の選択がむずかしいでしょうね。対面であれば、しぐさや目線やボディランゲージなどもコミュニケーションツールの一つとして使えますが。
CRMの前提は、2人の操縦士のそれぞれが、自分の業務以外の能力も必要ということ。FOも「自分」がないといけません。私はFOもキャプテンシーを持てと教育してきました。日本人の悪いところは「わかってくれるだろう。」と暗に期待するところです。しっかり意見を言えることが大切です。
機長に「間違っています。」と言うのは勇気のいることです。機長が機嫌を悪くするかもなどと考えてはいけませんが、当然遠慮も出てきます。間違いの指摘や提案を気持ちよくできるという人柄も大切な資質と言えるでしょう。
 
エアラインパイロットを目指す皆さん、そのような資質を身に着けるために、今からできることというのはきっとあるのではないかと思います。
 
また次回のnoteをお楽しみに。
 

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