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燃油サーチャージ

燃油サーチャージ、最近、原油の高騰にともない上昇傾向、でも皆さんはこの導入に至る背景やメカニズムをご存知ですか。

かつて飛行機の燃料代は航空券代金に含まれていましたし、誰もが当然と理解していました。
ところが原油価格が高騰した時期に、航空券代金とは別立てで燃料代をまかなうために燃油サーチャージが設定されたのです。燃料費の急激な価格上昇に伴う費用増の為、燃料費の一部を乗客が負担する制度で利用する航空会社、区間により条件と金額は異なります。
従来から燃油サーチャージは別立てではなく航空券に組み入れている会社(シンガポール航空、ニュージーランド航空、カンタス航空など)もあり、また、中東の一部の航空会社のように燃油サーチャージが無料の会社もあります。

航空会社が金額改定を行う場合には、関係国政府の認可が必要となり、日系2社はシンガポールケロシン市場価格の直近2ヵ月平均によって適用額を確定し、2ヵ月間金額を固定しています。2ヵ月毎に見直しをして2ヵ月平均が1バレル当たりUSD60を下回った場合は廃止となります。

燃油サーチャージが初めて臨時的に導入されたのは2002年でした。湾岸戦争以降の原油価格が高騰したのが理由でしたが、その後、旅客便では2005年から正式に導入され、2009年と2016年の一時期には廃止になったこともありました。この燃油サーチャージ、航空業界だけでなく、海運や陸運といった業界にも存在するものなのですね。

あえて「燃油サーチャージを徴収しません」とアピールする航空会社もあります。その代表格がLCCです。格安航空会社(LCC)は従来から「運賃の安さ」を売りにしており、これに燃油サーチャージが加算されると、高額な印象を与えてしまうため燃油サーチャージを航空会社が負担する、あるいは最初から航空券にある程度加算して販売するほうが購入側もお得に感じるということです。

全日空は、2022年8月から適用する燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)を発表しました。
2022年8月1日から9月30日に発券する日本発の海外航空券に適用されますが、8月以降の燃油サーチャージは、この制度発足以来の最高値となります。残念ながら急激に進む円安や世界的な原油高の影響で、燃油サーチャージは値上がり基調が続きます。北米・欧州線の場合往復で98,000円、ハワイ路線でも往復で62,200円という非常に高額な燃油サーチャージが航空券代とは別に徴収されます。日本航空も同レベルの値上げを発表いたしましたね。


コロナ後、航空券は高騰しています。我々利用者が気軽に旅ができるよう安定した航空料金を望みたいものです。     

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