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他責にするな、自責で考えろ

どうも、あびです。
50歳を期に脱サラへのチャレンジを決意し、退職まであと2か月ちょっとですが、最後のシステム開発プロジェクトもやはり過酷でした。

一大決心をした割りには、華麗巧みに言い訳を見つけ準備を進めようとしない自分に嫌気がさし、2024年10月から日記を公開し始めました。


言い訳ばかりの駆け出しエンジニア

28歳、僕はまだ駆け出しのITエンジニアでした。コードを書いてはバグを出し、スケジュールは常に遅れがち。そんな未熟な僕の傍には、いつも厳しい眼差しで見守る上司がいました。10歳ほど年上のその人は、プログラミングも設計も一流。しかし、僕にとっては少し怖い存在でもありました。

当時の僕は、何か問題が起こるとすぐに言い訳をしていました。「割り込みタスクが入ったから遅れたんです」「設計書に書いてなかったから、バグが出たんです」と。今思えば、なんとも情けない、責任逃れの言葉ばかりだったと思います。

上司の口癖「他責にするな」

そんな僕に、上司はいつも同じ言葉を繰り返しました。「他責にするな。自責で考えろ」と。

最初は、まるで理解できませんでした。「だって、本当に僕のせいじゃないのに…」と心の中で反発していました。上司は、僕の責任ではない時でさえ、鬼の首でも取ったかのように「他責にするな」と繰り返すので、意地悪だな、とさえ思っていました。

衝撃的な教え:他責思考が成長を阻む

ある日、上司は僕に「なぜ他責思考がダメなのか」を教えてくれました。それは、他責思考では、自分が成長できないからだ、と。

衝撃でした。自分のせいではない出来事でも、「自分に何かできることはなかったのか」と考えることで、他人の失敗からも気づきを得て成長できる。まるで、目から鱗が落ちるようでした。

当時の僕は、「成長」という言葉に異常なほどに敏感でした。大学受験に失敗し、専門学校も遊びほうけて卒業も危うい状況。なんとかIT業界に足を踏み入れたものの、同年代のエンジニアとの差は歴然でした。劣等感に押しつぶされそうになる日々で、「成長」は僕にとって、唯一の希望だったのです。

上司の言葉は、僕の心に深く突き刺さりました。「全てを自責で考えることで、成長スピードが上がるのか!」と。

呪文のような言葉「他責にするな」

それからというもの、僕は「他責にするな、自責で考えろ」という言葉を、呪文のように心の中で唱えながら仕事をするようになりました。

例えば、他のメンバーがタスクを終わらせきれずにスケジュールが遅れた時も、「もしかしたら、僕が途中で進捗を確認し、アドバイスをしなかったのが原因かもしれない」と考えるようになりました。そして、次のタスクからは、そのメンバーの進捗状況を気にかけて、積極的にアドバイスをするように心がけました。

自責思考がもたらした変化

このような行動を続けていくうちに、自然と自責で考えることが身についていきました。いつの間にか、意識しなくても、物事を自責で捉えることができるようになっていたのです。

自責思考が身につくと、僕の仕事の進め方は大きく変わりました。周りの状況を把握し、事前にリスクを予測して対策を立てるようになり、結果として、プロジェクトはスムーズに進むようになりました。

30歳を迎える頃には、中規模システム開発のプロジェクトリーダーを任されるようになりました。これも、間違いなく自責思考を身につけることができたおかげです。

成長の源泉

人が成長するには、「挑戦→失敗→振り返り→改善」というサイクルを回し続けることが必要です。アグレッシブな性格の人であれば、数多くの挑戦をすることで、爆速で成長するでしょう。

しかし、どちらかというと控えめな性格の僕は、挑戦の数は決して多くありませんでした。それでも成長できたのは、他人の失敗を振り返り、改善に繋げるということを意識していたからです。他人の失敗から学び、自分の行動に反映させることで、控えめな僕でも着実に成長することができたのだと思います。

今の自分を支える言葉

「他責にするな、自責で考えろ」。

この言葉は、確かに僕の行動指針のベースとなり、今でも僕を支え続けています。

しかし、この言葉を胸に刻む中で、一つだけ大切なことにがあります。それは、「自責」と「責任」を混同してはならない、ということです。

全ての問題を「自分の責任」だと捉えすぎてしまうと、自己否定に陥り、心が疲弊してしまうことがあります。時には、自分以外の要因が原因であることもあるでしょう。大切なのは、問題が起きたときに、ただ「自分のせいだ」と責めるのではなく、「自分にできることは何か」という視点で考えることだと、今の僕は理解しています。

過去の僕は、このバランスを欠いていた時期がありました。全てを自分のせいだと抱え込み、精神的に疲れてしまったこともあります。その経験から、問題の本質を客観的に捉え、自分自身の行動を振り返るだけでなく、周りの状況や環境も考慮することの大切さを学びました。

また、他責思考を完全に否定するのではなく、状況に応じて使い分けることも重要だと考えています。他者の責任を認め、協力して改善に取り組むことで、チームとしてより効率的に、より良い結果を出すことができる場合もあります。

「他責にするな、自責で考えろ」という言葉は、あくまで成長のためのツールです。過剰に自分を責めるのではなく、成長のチャンスだとポジティブに受け止めることが大切です。

この言葉の本質を理解し、バランス良く実践することで、より効果的に自己成長を促すことができる。そう確信しています。

これからも、この言葉を胸に、時には立ち止まり、周りの意見にも耳を傾けながら、前向きに進んでいきたいと思います。

今日は以上です。

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