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気候が変わり、海が変わり、食べ物が変わった。ヒトもそうなの?と思いながら味わうクレオパトラの味。
シマ島に来て来年で10年になりますが、10年でこんなに環境が変わるとは思ってもみませんでした。
シマ島の味、として教わった地物の魚は今ほとんど獲れませんし、これまで見たことのないような魚が浜にうようよいたりします。
度重なる台風の影響で海岸がえぐれ、地形が大きく変わりました。名所として知られたスポットに、行けなくなってしまったところもあります。
時化が増えて、船の欠航率も上がっています。交通の便が悪くなって、スケジュール調整がめちゃくちゃ大変になりました。
あと今年は特に、島の特産としてつくられていた芋が大凶作。芋がなければ、そこからつくられる加工品も、お酒も、つくれなくなります。
ドミノ倒しみたい。このドミノはいつ、どこで止まるんでしょうか。
とはいえ自然の変化はどうにもならないわけで、受け入れて、できることを探すのが島の暮らし。漁師さんも、農家さんも、みんな試行錯誤を始めています。
「よかったら、これ使って感想きかせて」
と、先日も農家さんから渡されました。
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ローゼル。
食用ハイビスカスとも言うそうで、ハイビスカスティーの原料なんだそうです。
実の赤い色はアントシアニン。クレオパトラが美容植物としてお茶にして飲んでいたとか、古代エジプトでは不老長寿の秘薬として珍重されたという逸話もあるそうです。
野菜の不作が続いているので、今の気候にあった新しいものをと模索しているひとつがローゼルということで、実をいただきました。
ぷっくりした実ですが、中身はほぼ種。まわりの赤いガクの部分をペロリとはがして使うのだそうです。
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乾燥させてお茶にしたり、ジャムをつくったりしてみたのですが、ちょっとすっぱすぎていまひとつ。うーん、これはどうだろう?と思っていたらザビ男が知らないうちにハチミツ漬けにしていました。
さらにそれを、いただきもののリンゴのコンポートに混ぜて、「ほれ」と出してきたのがこちら。
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まるで桃のような見た目ですが、リンゴです。淡いピンクがオシャンやないかい。しかも、甘いリンゴと甘酸っぱいローゼルの相性よき。
初めての出会いでしたが、ローゼル、なかなか面白そう。植生が変わって、シマ島の新しい味になっていくんでしょうかね。
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