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変容する世界を生きる島暮らし。いつまで続けられるのか、アンタンタル。

出張で本土に来ています。
今日は夜明け前からひどい土砂降り。注意報が発令され、シマ島を出られないかもなとヒヤヒヤしながら朝を迎えました。

こういうとき島民は天気図とにらめっこしながら、天気がどう動くかを予測します。シマ島を出入りするにあたり、雨の激しさはあまり関係がありません。重要なのは視界の悪さと、不規則な風の強さ。霧や厚い雲が出ると飛行機は厳しいし、いつもと違う風が吹くと船が欠航します。

それに加えて、最近は船も飛行機も守りの体制。知床のカズワン事故以来、以前なら就航していた少々の悪天候でも船が欠航するようになりましたし、飛行機はパイロット不足で減便つづき。少ない便に人が押し寄せて便は常に満席なので、欠航したときを考えてプランA、プランB、プランCといくつも予防線をひく必要が出てきたのです。

今朝も暗雲がたちこめ、これはダメかも…と肝を冷やしました。今日はどうにか飛行機が飛んでくれて助かりましたが、それも運がよかっただけ。島民の本能をもってしてもどうにもならない現実が、いま目の前に広がっています。

海水温の変化でシマ島では海の生態系が激変し、名物と言われていた魚が獲れなくなり、貝や海藻は磯から消えました。シマ島に来て10年もたたないでこれですから、この先いったいどうなんだろうかと暗澹たる気持ちになるわけですが、去年フラりときてシマ島に住み着いた20代のパリピ男子・スープくんが昨日

「くみさん、朝海入ったら、あったかくてぜんぜん泳げたんですよお~♪」

つってあんまりニコニコうれしそうにするものだから

「あ、うんよかったねえ」と返事しながら、シマ島はそのうち1年じゅう泳げるパラダイスアイランドになるのかもしれないなって思うと何が幸せなのかわからないなあ、と思いながら本土で刺身を喰らう夜。


魚がごちそうっていう島民アンビバレンツ








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じじょうくみこ
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