<26>女子とヨウコと、時々、トクナガ。
じじょうくみこが誕生して丸10年。というわけで勝手に生誕記念⁉でウェブマガジン「どうする?Over40」に連載していた処女作の「崖っぷちほどいい天気」をこちらに転載しております。
いやあ。今週は本当に平和でありました。仕事はあるけど、〆切はない。ほどよい緊張感と、ゆるみ感。最高。最高すぎて、平日からプレミアムモルツ飲むっていう贅沢に走るじじょうくみこでございます。
そんなわけで1年で1回あるかないかという貴重な1週間を満喫しまして、あとは年末、年度末、年度初め、と駆け抜けていくのみ。来年はザビ男の定年というビッグイベントもあるので、さてどんな1年になりますことやら。
四十路ハケンOL編、まだまだ続いております。キャラ立ちすぎな珍獣パラダイスですが、じつはそのまわりのメンツもなかなかの濃さっていう話。
それでは、どうぞ~。
*** 2013年11月16日の記事***
女子とヨウコと、時々、トクナガ。
この頃わたくし大変乱れておるのです。
何がって、生活が。会社をやめて1月半になりますが、3年間せっせと同じサイクルの生活を続けていたもので、それがなくなった途端に毎日がグチャグチャになりました。
「会社がいるから、やりたいこともできない」なんて愚痴っていましたが、なーに甘えたこと言ってんだよこのバカチンが僕は腐ったミカンじゃないよって感じですね。いっこうにペースが定まらず、毎日バタバタアワアワ乱れております。
関係ないけど「ダイヤが乱れています」ってなんかヤラしいですね、じじょうくみこです。
さて、何が乱れたって先月の台風27号のせいで仕事があれこれ乱れてしまい、今週来週と出張から帰った翌朝からまた出張という、まさかのハシゴ出張。本当は会社の珍獣メンズのことでも書きたいのですが、やつらの話をすると長くなるのでまた後日。今回は、職場で気になるファッションについてお話したいと思います。
私が派遣されていたのは、男子より圧倒的に女子が多い会社でありました。しかも若い女子。こんなに大量のOLさんを見たことがなかったので、通い始めた頃は毎日ドギマギしておりました。聞くところによると、みなさんなかなかよい大学を出ておられるそうな。仕事もバリバリできて、しかもカワイイ。そして、こぎれい。無敵。無敵すぎます。
そんなに無敵なのに、なんでみんな同じようなファッションなのかと不思議でなりません。そろいもそろってゆるふわ愛され系。シフォンのブラウスとか、フレアのマイクロミニキュロットとか。この夏はみんなプロデューサー巻きかモモンガカーディガンだったし、その前はネオンカラーでした。雑誌なんか見なくても職場にいれば流行がわかるよってくらい、みーんな同じ格好。
「そんなに愛して愛して言わなくったって、キミかわうぃ〜よ〜」と声をかけてあげたくなるのですが、なんでも「高学歴でバリバリ働いちゃう女子はモテないからって、みんな必死らしい」と別の部署のハケンさんが言ってました。ほう、そうなんですか。確かにみなさん本当によく働くし、管理職も女性が多いです。いっぱい働いて、いっぱい稼いで、さらにキレイキレイにしてなきゃいけないって、女子大変すぎ。
そんなキラキラ女子の中でひとり、異彩を放っている女性がおりました。
珍獣パラダイスから少し離れたところにある部署の課長さんです。おそらく30代前半くらいかと思うのですが、細身なカラダに小さな顔、アーモンド形の大きな目に、ぽってりやわらかそうな唇。シンプルだけど仕立てのいい黒のワンピースやノースリーブのブラウスを着て、肩にかけたカーディガンを時々たくし上げながら、いつもショートボブの黒髪をたらして憂いがちに書類に目を通しています。
「ほうっ」と思わずため息をついてしまうほど美しい。その人はなんともはや、真木よう子そっくりなのです。
あの顔で、このスタイルで、この低い声で、囁かれることを想像してみてください。
「意味、わからないわ」
ですよねですよね、この企画やめましょうハイやめましょう
「ちょっと、カオスよね」
ですよねですよね、字読めないですよね汚いですもんね書き直します
とまあそんな感じで毎回飲まれて終わる始末。だって、いちいち美女オーラがハンパないんだよ、よう子。美しくて仕事できるってマジすごいわ無敵だわ、よう子!
芸能人つながりで、もうひとり。今度は男性です。
その人はマックなどコンピューターの管理をしている、たぶんアラサー男子と思われます。ハケンなのか契約なのかわからないのですが、他の男子がスーツ姿なのに、その人だけ常にカジュアルスタイル。
ざっくりした膝丈はあろうかというロングシャツに細身のジーンズとか、ボヘミアンな刺繍が入ったシャツとか、きれいめカラーのボーダーシャツとか、細身なおしゃれ男子じゃないと似合わないファッションなのです。
この男が、なんというかこう、とにかく目立つのです。そうですね、たとえて言えば
徳永英明を100回洗濯したような感じ?
ひそかに社内で トクナガ・ワンハンドレッド と呼ばれている彼ですが、なにしろ細い。肉あるんですかってくらい、ほっそほそです。いつも若干カラダが斜めになっている、後ろ体重男子です。そして「ぬばたまの」と枕詞をつけたくな るくらい、常に髪がぺったりしっとり濡れています。時々黒光ってもいます。
業務上よくお世話になっているのですが、わからないことがあってメールしたりすると、「じじょうさーん」と 速攻で走ってきてくれます。走り方がちょっとクネクネしています。
そしてものすごく丁寧に説明してくれるのですが、なにしろ本家ばかりのウィスパーボイスなので、時々何言ってるのかわからなくなります。わからないけど声がいいのでついつい聞きほれてしまい、とんちんかんな質問をしてワンハンドレッドを戸惑わせ、お互い会話がかみあわないまま最後は「うふふふふ」と笑って終わる、という大人っぽい決着をします。
会社って楽しいですね。
最近のアルバムにしてみました。相変わらずご活躍のトクナガ(本物)
久しぶりに聴きたくなりました。
昨今の昭和歌謡、シティポップ人気でトクナガさんもお忙しいのでしょうか。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
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