『大人の付き合い』戯曲公開⑪（毎日１ページずつ更新）
avenir'e 2nd create『大人の付き合い』／『紙風船』に伴い、『大人の付き合い』（作：池内風）の戯曲を毎日１ページずつ公開して参ります。
大正末期である岸田國士の『紙風船』では、ある理由で夫婦の関係を発展させられずにいる若夫婦が描かれています。
また、『大人の付き合い』では現代（令和）を生きる男女が経済的事情から関係を発展させる一歩を踏み出せずにいる姿が描かれています。
この共通点を並べながら、お互いの作品が影響し合う不思議な作品を上演いたします。
岸田國士の代表的な作品『紙風船』は、青空文庫にて読むことができます。それに伴い今回『大人の付き合い』も戯曲を公開し、実際の上演前に戯曲を読み比べていただき、時代を超えた二つの作品が行き交う様子を想像頂けたらと思います。
『紙風船』（青空文庫）
https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/52082_45850.html
『大人の付き合い』
『大人の付き合い』（全16ページ）
作：池内風
avenir'e 2nd create
『大人の付き合い』／『紙風船』
〜もっとふくらませたくて息を吸い込んだら、破れてしまうかもって不安がふくらんだ〜
2023.6.17(Sat.)〜 7.4(Tue.)
新宿眼科画廊 スペース地下
Details
未来への期待。しかしそのためのほんのささやかな選択すら躊躇させてしまう不安。
幸せのための一歩のハードルが高まった時代を生きているような気がします。
今と昔、そんな一歩を踏み出せずに漂う男女を描いた二つの短編を上演いたします。
それぞれ戯曲の中には二人の登場人物しか居ませんが、戯曲の世界でも本当は現実と同じように外の世界があるはずです。同じように不安を感じ悩み時に躊躇し停滞しながらも、より幸せな未来を願っている僕たちのような誰かが生きているはず。
二つの短編を並べて上演し、俳優が登場人物として生きることで、きっとそれを見守る客席のみなさんも共感したりあきれたりもどかしくなったり、しかし二人の幸せのための一歩を願ってくれるのではないかと思っています。そんなみなさんの存在が二人の背中を押す力になり、二人だけの世界では得られなかった戯曲を越える可能性を生んでくれるかもしれない。そして劇場の外の世界には、みなさんの背中を押してくれる誰かの存在があるかもしれない。
そんな風に思える明るく楽しい空間を皆さんと作っていく。そんな創作にしたいと思っております。
avenir’e
Creative team
Cast
『大人の付き合い』
家入健都（ダブルキャスト）／谷川大吾（ダブルキャスト）／三浦葵
『紙風船』
江藤みなみ／髙橋龍児
Script team：休日の図書館
脚本：『大人の付き合い』池内風 『紙風船』岸田國士
ドラマトゥルク：池内風
ディレクター：須賀真之 平井寛人
メインディレクター：大原研二
制作：大原みづほ
《公演サイト》
https://avenire.cloud/next/