「真実」
原題:La verite
監督:是枝裕和
製作国:フランス・日本
製作年・上映時間:2019年 108min
キャスト:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエ
大女優の母が映画タイトルそのままの「真実」という名の自叙伝を出版した。その出版祝いにアメリカに住む娘家族が里帰りする。
版下段階で見せてもらえなかったことを脚本家になった娘はそもそも納得していなかった。実際、書かれていることは作品内の言葉を借りるとフィクションだらけ、脚色満載だったよう。
予告で触れられていた「書かれていない大切な人」をめぐって作品は展開する。同じ女優でもありライバルでもあったサラについては外堀を埋める形で想像させていく。例えば、若手の女優がサラを彷彿とさせる、サラが好んでいた服を着せることで体形を浮かび上がらせる。
だが、
・何故この作品はフランスで撮る必要があったのか
・義理の母大女優に対し、スポットライトをまだ浴びていないTV俳優にアメリカ人設定が必要だったのか
・フランス語と英語の違いから出る面白さがない、勿論フラン人VS米国人も
・イーサン・ホークの良さがどこにでているのだろう
・父親を出す必要性があったか。それであれば秘書をもっと掘り下げて欲しかった
撮影地がフランス、言語がフランス語であればフランス映画?、まさか。
折角のカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュお二人が揃い、もっと心理的な親子の深い葛藤、すれ違い、愛憎を観たかっただけに、エッジが効いていない台詞をはじめ、印象に残るシーンもないままに観終わってしまったことが残念。
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