
生き返った人に出会ったような瞬間
昨日はユーロスペースで展開している北欧映画祭の内二作品を観てきた。
夕食まで中途半端な時間が空いてしまい、好きな書店の一つBunnkamura内の NADiff modern(ナディフ モダン) に寄る。
決して売り場面積は広くはないが、同じフロアで開催される個展関係、或いはシアターコクーン絡みで演劇、と他の書店では探すことが難しい類の本に会うことが多く何かしら刺激を貰う。
賞を冠した本が平積みの書店ではない。
いつものように書店全ての棚を丁寧に見ていた。
「アメリカの心の歌」が目に入る、それも岩波新書版ではなく単行本版がきれいな状態である。
目に入った時からこの状態が奇妙でならなかった。もう長田氏は亡くなられている。そして、この本は最近出版された本でもない。
恐る恐る本を手に取り、奥付と著者を確認するとやはり2012年印刷初版。
長田氏の紹介は「詩人、1939年福島市に生まれる」から始まるが生涯が閉じられていない。
何かの縁(えにし)で私の手元に来た。
手垢も付かず、帯も切れていないきれいな本が渋谷から長田氏書物が並ぶ私の本棚に引っ越してきた。
オンライン書店ではない世界がリアル書店ではまだまだ多くある。