「くれなずめ」
監督:松居大悟
制作国:日本
製作年・上映時間:2021年 96min *HULU視聴
キャスト:成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹
「優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。…終わった…だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。」
*公式H.P.より
正直、最後まで観ることに苦痛が伴いそうなくらいに私の生活とは別世界のような男友達が繰り広げる悪ふざけしかないような序盤シーン。
それでも、起伏無く続く悪ふざけの場面に慣れることもなく観ているそう早くない時期に仕掛けられた人物の存在に気が付く。
この時点から私には話の展開が気になり始めた。
現実と虚構世界ほどに差があるように見えた彼ら自身の高校時代回想シーンもその後社会人生活の絵が繋がることでモノクロの写真がカラーになるように高校時代に鮮明さが加わる。
あれほど途中で観ることを止めようとした私が、最後涙ぐんでしまった。
喪失感、これをどう表現するのか。
ネタバレになる為に触れられないが、人によって喪失感は当然違ってくるが単位が友人グループとなった時に共有される喪失感はあるのだろう。
喪失感を認めた時にグループのジグソーパズルがピース一つ欠けることなく存在していたことを知る過程の作品かしら。(ネタバレ回避故の曖昧表現でごめんなさい)
観る人を択ぶ作品かもしれないが、結果として私の鑑賞時間は無駄ではなかった印象で終わる。
元が演劇だったことも想像に難くないコンパクトな箱ながら思いが詰まった箱だった。
★★☆
「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな
なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」