「ローマの休日」
原題: Roman Holiday
監督:ウィリアム・ワイラー
制作国:アメリカ
製作年・上映時間:1953年 118min
キャスト:オードリ・ヘップバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート
今回は今までと異なり映画についてあまり語らなくて良いほど世界中で知れ渡っている作品。
TV、DVD,ネット等でこれまで何回も観ていながら、製作「1953年」半世紀以上前の映画の為当然映画館で観ることは限られ、その機会も逃していた。
今日はTOHOの旧映画枠でやっとスクリーンで観ることが叶う。
モニターで観る限り全く気にならなかったことが、観るサイズが大きくなることで顕著に迫ってきたのはスクリーンサイズ「1.33:1」の影響。もう何度も観て、展開も台詞も知っているのにそれでもこのサイズは気になっていなかった。
私自身の変化で観点が変わったことが2点。
一点目は約一年前に「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を観たこと。これまではトランボが関わっていたなど考えたこともなかった。ましてハリウッドのあのレッドパージ(赤狩り)の嵐がこの映画にまで及んでいたなど。二点目はローマを実際自分が歩いていること。これは古い銀座のニュース画像を見ることにも似て、ローマの町並みが全く未知の風景ではなくなってしまった。
グレゴリー・ペックのアドリブだと言われる「真実の口」のシーンも知ってみると彼女のリアクションが演技でなく素だったことに納得する。
Vespa125はじめフィアット500など小道具からイタリアのデザイン宣伝となる。オードリーが一枚のシャツを「上まで留めてあったボタン」が外され「袖を捲くる」「タイを取り襟元を開ける」髪をカットした後は「襟を立て首にはスカーフ」袖の捲り上がり方にも変化が見える。
昔の映画であっても色褪せないのは、こうした時間の風化に打ち勝つデザインが投入されているいるからではないのかしら。本当に観ていて楽しい。
川から上がったこのシーン。まるで水が夫々に纏っていたしがらみを含め全てを洗い落としてくれたからこそ、恋する男女に見えるのだろう。このしあわせの絶頂の後に別れのシーンが来る。
At midnight, I'll turn into a pumpkin and drive away in my glass slipper.
「12時に私はかぼちゃの馬車で姿を消すわ」
And that will be the end of the fairy tale.
「それがおとぎ話の終わりか」
お伽話だからこそ50年経った今も輝きをなくさないのかもしれない。
★★★★☆
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