[水の生きもの]
初版発行:2013年10月19日
著者:ランバロス・ジャー
出版社:河出書房新社
ジャンル:絵本
その日買い物は書店が目的ではなかった。書店の横を通り過ぎる際にふと一冊の本が視界にかかる。最初は微妙に引っ掛かりがあるもののそのまま二三歩を歩を進めたのだが、やはり気になり引き返して手に取ってみた。
その本は決して派手にも、大仰にも棚に置かれてはいなかった。
タイトル写真はカバーがかかった状態。そして、上の写真はそのカバーを取った表紙。
ページをめくる度に展開する、質感がある独特の絵。
インドにさほど興味がなかった私にはミティラー画に触れる機会が少ない為に作者影響を受けたミティラー画から発展したこの絵が尚のこと印象的に映ったのだろう。
小説であろうと絵本であろうと本と名が付くものは基本的には「次のページ」を『開きたくなる』ことが喚起されなくては成立しない。
「インドの工房で手漉き紙にシルクスクリーンで手刷りされ、一冊ずつ手製本されたハンドメイドの大変美しい絵本。2012年ボローニャ・ラガッツィ賞(ニュー・ホライズン部門)優秀賞受賞。」*河出書房新社H.P.引用
手製本とあるように金額は想像通りで一旦は本を元の棚に戻し買い物へと本来のルートに戻したのだが、結局は購入してしまう。購入を考えている方の参考までに金額は定価4,104円(本体3,800円)。
帰宅し、ゆっくりと本を楽しむ。パートナーと「本という体裁よりも頁をばらして額に入れたい」と話していたところ同じことを考える人がいるらしく、アートプリント(シルクスクリーン)の案内が挿入されていた。
フェアトレード基準で運営された工房で制作されている背景を考慮すると、そのお値段は高いとも言えないかと。
私の手元にある本はシリアルナンバー 1285/3000
表紙の色は刷で変わるそう。
幼児と楽しむには少し勇気が必要な金額ではあるが、幼稚園生であれば「本を丁寧に扱う」ことを教えるいい機会にもなる一冊。
絵本であっても、大人が納得いかないレベルを子らに提供するするわけにはいかない。