壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑧龍蛇神社
二泊三日の短い旅行では駐車場から離れ徒歩10分という記載があった龍蛇神社は保留に近い位置付けだった。参考写真も海岸から離れているだろう一枚のみ、加えて詳しいアクセス情報もなかった。
それでも壱岐がコンパクトな島だったお陰で日程に余裕が生まれ保留から昇格し訪問することになる。
只、それでも車のナビは案内拒否。スマートフォン頼りでどうにか結果としては訪ねることは出来たが終始到着するまで不安な道だった、というよりもキャンプ場を抜けた先の海岸であるためにマップに道路が全く出ないという背景。
特に目立つ神社案内版を見つけられないまま、ようやく展望台から龍蛇神社が見えた時は安堵した。
昔から此処は大蛇が泳ぐ、或いはとぐろを巻いて寝ていたなどの言い伝えがある竜神崎と呼ばれる場所。
キャンプ場を通り抜け、更に下り海岸へ出てからも神社までは足元に注意が必要な所を歩く。*私たちは晴れた日で幸いだったが、訪問日が雨上がりの場合は滑り易い為に履き慣れた靴でいらしてください。天候が悪い時化の日はおそらく訪問は無理。
参道で波を受けるかもしれない。
海岸では板状節理と呼ばれマグマが流れ冷え固まった薄いスレート状が見られる。石の様子は様々あり龍や蛇に寄った名を持つこの岬では波打ったものは龍のウロコとも言われるそう。
1895(明治28)年に出雲神社より龍蛇神を迎えて祀られた比較的歴史は浅い神社にはなる。設えも出雲を向いた祠と潮風にさらされた鳥居だけと一切の修飾がない。*祠が出雲を向いている為に鳥居の正面から撮った写真の中では祠は90度真横を向いている。
派手がましさなどない、そして、厳しい場所に祀られた神社に何故だか友人も私も異教徒ながら鳥居の前で頭(こうべ)を下げたくなる厳かな空気を感じた。
仏教の結界を持ち出すことは場違いなのだが、鳥居から先に行くことが憚れてしまい私は祠の正面を見ていない。この記録を書くにあたって友人が祠正面写真を持っているのか確認したが、彼女もまた鳥居向こうには行っていなかった。そういう訳で龍蛇神社祠の正面写真をご紹介出来ない。
沖縄の御嶽にも似た純粋な祈りの場に見えた。
この場所が択ばれた理由は、或いは、この場所に呼ばれた理由はこうして事前下調べもなく訪れ感じたそこに答えはあるのかしら。