倫敦:London19 大英博物館Ⅰ
敢えて此処で説明する必要もない有名な博物館。イギリスには申し訳ないけれども別名盗品博物館と云われるほど、博物学者ハンス・スローン卿寄贈から始まったとはいえ大英帝国繁栄と共に増えた致し方ない事情で集まった品々。只、考えようでは2001年ターリバーンによってバーミヤン渓谷の大仏如来が破壊されたが、少なくとも大英博物館にあることで戦争・紛争からは守られていることは確かではある。
「Repatriation」日本語では「本国送還」を人々はどう捉えているのだろう。凡そ旅行前はそれほど気にしなかったことが博物館に集う各国の人々を見ている内に頭に浮かんだ。
冬のような寒さに加え予報通りの雨の中、傘をさしたまま入館待ちの列が外に続いていた。セキュリティはヴァチカンの方が厳しい印象で、列の長さの割には短時間で館内へ入る。
グレートコートと呼ばれている中央部の天井を覆うガラス面は曇り空でも美しかった。晴れた日はこの写真が青くなっているのだ。
エジプト関係展示は人の波が切れることがない。観光客に混じって校外学習の子らも人手の手伝いになる。
トランクに入れて持ち帰られる大きさではないこれらの遺跡発掘品をどのようにして運んだのだろうか、とその過程も実物が大きくなるほど考えてしまう。
研究熱心、それとも執着心、強欲、独占欲。今の時代では信じられないがこの幾つかが相乗効果を成し遠い国から運ばれてきた。