「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」
原題:Star Wars: The Last Jedi
監督:ライアン・ジョンソン
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2017年 152min
キャスト:マーク・ハミル、デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、キャリー・フィッシャー
1977年から約40年間も続いている映画シリーズは類を見ない。この長期間に及んでも観客動員に陰りを見せないとなると、当然ネットに限らず書籍も含め数多様々な角度から語られてきている。
スター・ウォーズには興味がないにも拘わらず、ネット配信を含めるとほぼ誰かと観てきた。コアなファンではないが流れは理解している。それでも、以下のreviewは変わった見方の一つで読んでもらえると幸い。
一点目、アイルランドのSkellig Michael島を観たかった。予告程度の露出かと期待していなかったが十分に島の様子は楽しめた。
今は無人だが此処には6世紀に造られたのではないかと云われているケルト人が関わった初代キリスト教修道院がある。世界遺産の為に撮影は2015年に二日間だけ許される。残りの撮影はロケ地を求めレプリカでの撮影になる。お椀を伏せたような簡素な石積みがその修道院だ。600段のこの石段は雨の日は危険と云われている。手付かずのままの自然の厳しさを残す島。
二点目は二つ返事でオファーを受けなかったマーク・ハミルの演技を観たかった。ご本人がおっしゃるように知名度がある代表作を持つことは副作用もあり、以降の役者人生に縛りはある。それでも、こうしてシリーズが40年間続いたからこそ可能にした今回の役どころは、結果としては俳優冥利ではなかったのか。ファンではない極々一般の私が見ていてもフィクション作品の中に流れるリアルな40年間は感慨深かった。
三点目は昨年12月病気で亡くなられたレイア姫役キャリー・フィッシャーさんの遺作でもある映画はネット配信では観たくなかった。
50歳を過ぎてもオファーがあることは女優にとっては貴重という発言は現実としても悲しい。男優が年齢を重ねても役があることに対してあまりに映画世界が偏っているのかが伝わる。勿論、長く関わった作品だからこそ敢えて年齢を気にしない姿勢を演じてらした可能性はある。お二人は映画を離れても親交があったことが作品にも反映されていた。
タイトル上の写真に上記のポスターをUPしたかった。この映画の内容をこれほど簡潔に伝えているダイジェストはない。
映像美をはじめ、キャラクタ設定、ストーリー展開と弛まぬ姿勢がある。シリーズは同じ監督でなくても駅伝さながらに作品性をリレーしている。こうなると一監督の作品ではなくなる。
誰が観ても今回の作品は世代交代だった。しかし、この世代交代もこれまでの作品を通して少しずつ推し進められ、唐突に配役は消えてはいない自然さ。作品「スター・ウォーズ」の全体像を何人が知っているのだろう。
★★★