今更ながらSchool Daysを見てみた第一話

皆様はSchoolDaysという作品をご存知だろうか。
2007年ごろに放送されていた学園もののアニメなのだが、この主人公伊藤誠が日本アニメ史上トップクラスのヴィランだと話題を掻っ攫った。
そして話題になりすぎて内容は知らないがオチだけは知っているという不思議な現象が起こる。
所で筆者は今ツイステッドワンダーランドというゲームにズブズブにハマっており、どこに出しても恥ずかしくない陰キャにはどうも光のヒーローよりも闇のヴィランに惹かれてしまう。
もちろんアラジンに登場するジャスミンは私の中で永遠の不動の愛すべきプリンセスだしエスメラルダも最高にいい女だし近年ではアナも非常にガッツと愛に溢れた素晴らしいプリンセスである。
であるが、好きなDキャラクターを上げさせたら圧倒的にヴィランの方が多い。
ならば、伊藤誠の悪逆非道の悪の花道を見届けなければなるまいと謎の使命感に駆られ、一話を視聴してみた。
見終わって抱いた感想が

これ、元凶は世界ちゃんなのでは？

であった。誠は第一話ではよくある平凡でちょっと気弱な少年と言った印象で、電車で見かけた言葉ちゃんへの淡すぎる片想い。『見てるだけで幸せ』なんと健気なことだろう。
思い人を待ち受けに設定して何日間か誰にも見られなければ恋は成就するというなんとも可愛らしいまじないを実行する乙女心まで持ち合わせている。この時点では本当に可愛い男の子で、もはやこの作品のヒロインは彼なのでは？　この純朴な彼がどうやって悪の道へと進んでしまうのかと興味津々である。
そして初日で待ち受けをバッチリ見てしまったのが、世界ちゃん。お詫びと称して誠のために言葉ちゃんと友達になり、リサーチをして、三人でのランチに漕ぎ着け、二人がぎこちないながらもいい感じの雰囲気になった所でスッとお花を摘みに行くいい女っぷりだ。
ここで彼女も誠に対し恋心を抱いているような描写がちょくちょく描かれるも、それをひた隠し好きな人に幸せになってほしいという一心で、キューピッド役を買って出る健気な世界ちゃん。
そしてひっそりとほくそ笑んで心から二人を応援する青春の一コマ。
そして極め付けにその日の夜に電話で、誠から明日言葉に想いを伝えると言われた時の『よし』という切なくも嬉しそうな柔らかな笑顔。なんと美しい友情だろうか。
Dに脳みそまで浸った私は『ははぁ。これで途中で誠が世界ちゃんの真実の愛に気づいてしまって、世界ちゃんを意識してしまう展開だな？　言葉ちゃんは憧れとかそうゆう対象だもんな。なるほど誠はこの時点ではイライザ姫ってことだな？　世界ちゃんがチャビーってことだな？　よしわかった』と呑気に思っていた。しかしオチを知っているためますます不可解だ。
二人の恋が成就した暁には、逆に二人が世界ちゃんの恋を全力でサポートしてあげて欲しい。

そしてその甲斐あって誠は言葉ちゃんに交際を申し込む。彼女は気になっている人がいるという話だがそれは誠の事であったと交際報告と一緒に聞いた世界ちゃん。両思いであったことに喜ぶもやはり表情は複雑である。そうだよね、誠のこと好きだったもんね……

そして帰りの電車に乗る際に誠とホームで鉢合わせる。礼をしたい、借りを返したいという誠に対してなんと世界ちゃん

おアツいキッスをかましてしまう

対価はこれでいいと言い残して電車に乗る世界ちゃん。
筆者は一瞬何が起きたか分からなかった。
これ、誠を闇堕ちさせた引き金って世界ちゃんじゃないか。
でも愛がなんたるかを未だ知らないこの年頃の女の子にはよくあることなのかもしれない。
他人の男に手を出してはいけないという理性よりもせめて最後に思いを伝えたいという本能が先立つのは致し方ない。まだ15.6の子供なのだし。
恋心をキスひとつに込めて忘れ去ろうとする潔さは好ましい。

今後の展開が楽しみである。