遊び心の原点。|SO-SO
世界に羽ばたきはじめた日本人ビートボクサーがいる。
その名はSO-SO(ソーソー)。2019年にGBBというビートボックスの世界大会に初出場したときのパフォーマンス映像は世界に衝撃を与えた。
テクニックはもちろんのことだが、一番の魅力は予測不能なパフォーマンスであり、その中に見える"遊び心"が観た人の心を一瞬で掴んでしまう。
今日はそんなSO-SOの"遊び心"に迫っていきたい。
SO-SOの原点
彼は現在、大阪音楽大学に通う21歳だ。出身地である高槻のカフェで話を始めると、小さい時の思い出を語ってくれた。
SO-SOが最初に音楽に触れたのは保育園の時だった。当時、友達の影響でピアノに興味を持ち、6年ほどピアノ教室に通うことになった。
その影響もあって楽譜が読め、絶対音感も得ることができた。しかし、だからと言って今のSO-SOの表現力が生まれてきたというわけではない。
ピアノの他にも少林寺拳法やサッカーなど幅広い習い事を経験した。興味があるものは、まずやってみる。その好奇心が彼のよさを引き出している。
小学2年生からは「テレビに出てみたいから」と劇団に入り、映画のエキストラやミュージカル舞台などをたくさん経験した。
他の人と比べると顔が薄めなので、見た目で特徴を出すために坊主になることが多く、表現することの大切さと同時に、表現することの難しさもこの時に学んでいた。
ちなみにだが、いまのトレードマークであるカラフルな服装や丸メガネ、髪型に関してもその時の経験が活きていているという。
着る服や靴は4種類以上で色と色の境目がハッキリとしているもの、ただのメガネではなく丸メガネ、使うシャンプーはノンシリコンなど、そのひとつひとつに想いがこもっていて、気づけば不思議とそこに意味が生まれていた。
話は戻るが劇団の時の経験は今のSO-SOの音楽性にも大きな影響を与えている。ミュージカル音楽はもちろん、ダンスの練習の際にヒップホップの楽曲もたくさん知り、聴きまくっていたことから彼の音楽幅は広がりを見せていった。
ビートボックスとの出会い、そして挑戦
そんなSO-SOは高校1年生の時に元から好きだったハモネプの動画をyoutubeで見ている際に関連動画で出てきたとある動画に釘付けになった。
それがこのREEPS ONEというアーティストの『MOVE』という作品だ。
この動画を見て衝撃を受けたSO-SOはすぐにビートボックスをはじめた。
最初は一人で自分の部屋の中だけで。でも、続けているといろんな大会があり、ビートボックスシーンの大きさに驚いた。
手当たり次第に大会にも出てみて、負けず嫌いな性格と同時に、いろんなビートボクサーたちとも出会ったおかげでスキルもどんどん上達した。
そんな中でのちに世界に名前を広げる大会『GBB』に出会う。2015年・2016年と大会を見ていたSO-SOは、日本のビートボックス界で主流だったHIPHOPやChillでもない、新しい音楽性に出会い、自分も出場したいと強く誓い、そこから何か他の人とは違うことをやりたいとその当時としてはマイナーで飛び道具的な存在だった機材『ループステーション』と出会う。
しかし、その道は容易いものではなかった。
2017年、ループステーションの技術を競う国内大会では予選落ち。2018年には力をつけてBBWCという世界大会に挑戦するもアジア予選での敗退。
そんな中で迎えた2019年のGBBへのエントリー。心が震えていた。
SO-SO インタビュー vol.2『ULTRA POWER|SO-SO』に続く