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BLOOD YOUTH『Starve』(2018)
UKはHarrogate発のメタルコアバンドBLOOD YOUTHは、地元に限らずヨーロッパ全体でもマニアックな人気を得ていたハードコアバンドClimatesが、Vo脱退に伴い解散、残ったメンバーが母体となり2014年に結成された。
同じく地元Harrogate のローカルバンドBook of Job でシンガーとして活躍していたKaya TarsusをVoとして迎え、デビューシングル『Failure』を以てバンドはシーンにカムバックする。
2015年にはSam Bowden(g)、Matt Powels(dr)が脱退、新たにChris Pritchard(g)とSam Hallett(dr)が加入し、初期のラインナップが完成、デビューアルバム『Beyond Repair』とともにHolding Absence や Loatheといったハードコアバンドとツアーを回ることになる。
本作『Starve』は2018年にリリースされたアルバムで、VoのKaya Tarsus の強靭なグロウル&シャウトとタイトなリズム隊のハードコア然としたサウンドが一番脂が乗っているタイミングに作られたもの。
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UK特有のちょっと湿っぽいサウンドはあまりなく、どちらかと言うとアメリカのからっと乾いた楽曲が並ぶ。
しかししっかりとドゥームで禍々しいので、そういうのが好きな方はぜひ。
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* Kaya Tarsus - lead vocals
* Chris Pritchard - guitar
* Matt Hollinson - bass
* Sam Hallett - drums
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■{51/50}
アルバムの開幕を静かに告げるインスト
■Starve
アラームのような単音トレモロギターからのズシリと重いギターリフが這いずり回る。
全体的に不穏で重々しいサウンドスケープで展開する王道モダンハードコア。
■Cut Me Open
軽快で抜けの良いハイピッチなスネアに、ボトムが分厚いギターが絡むミクスチャー風のサウンド。
うねるようなグルーヴはKORNやSlipknot直系を思わせ、否が応でも頭が振れてしまう。
■Spineless
モッシュ誘発型の轟音ビートと地を削るようなドラムンベースに、才能溢れるVo のKaya Tarsusが、シャウトに、ムーディーなクリーンに八面六臂の存在感を放ちまくるNu Metal。
■Nerve
不遜で凶々しいベースの弦音がバリバリと大地を喰うが如く鳴るスローチューン。
不協和音の波が次から次へと襲いくるが、その荒波を猛々しく、時に颯爽と泳ぐKayaのシャウトが主張する。
■The Answer
重いミクスチャーコア。コーラスは華やかだが底暗い、ヴァースは極悪だが耽美、矛盾や対立を抱えながらもその一つ一つに立ち入っている暇を与えない。
矛盾は矛盾のまま、目にも止まらぬ速さで擦過してゆく。
■Waste Away
気怠い雰囲気で歌い始め、コーラスではシャウトを重ねる淡々と進むスローチューン。
■{stone.tape.theory}
不穏な空気を漂わせるSE
■Visitant
ドリルのようなリフで静寂に風穴を開け、重々しいリリックとうねるサウンドを捻じ込んでくるミドルテンポNu Metal。
■Keep You Alive
2曲目の『Steve』に似た単音アラーム風トレモロリフが静かに始まり、終始スローなテンポで陰鬱な空気感が支配するチューン。
最後はベースと諦観溢れるヴォーカルがゆっくりと語りをまとめていく。
■Nothing Left
ゆったりとしたヘドバンを誘発するNu Metal。
バンド全体のサウンドやスクラッチノイズをしれっと混ぜ込む所だけでなく、KayaのボーカルまでKORNのJonathanに寄せてきてる説ある。
■Hate
2分にも満たないが、禍々しいサウンド、凶悪なブレイクダウンが詰まったHateを振りまく曲。
■Exhale
逆に10分以上凶暴サウンドを掻き鳴らし続けるミクスチャハードコア。
テンポを上げたり、展開を作るでもなく淡々と過ぎ去るので、ずっと聴いてるのがちょいと苦痛だったりする。
総合満足度 79点(強烈な飢餓感を覚えるレベル)