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Children of Bodom 『Are you dead yet?』(2005)


ARE YOU DEAD YET?



フィンランドはEspooで結成され、暴虐なクラシカルギターとキラキラキーボードという組み合わせで鮮やかにデビューするやいなや、一気にメロデス界の頂点まで上り詰めたフィンランドのBad Boys Children of Bodomの通算5作目となるアルバム。

前作の『Hate Crew Deathroll』では、彼らのルーツである北欧の様式美から鮮やかに脱却し、アメリカンモダンを前面に出したサウンドでまたもや世界に衝撃を与えたが、今作はさらにそれをヘヴィに、ブルータルに、そして挑戦的に推し進めた一枚。
『Are You Dead Yet ?』

2003年の夏にセカンド・ギタリストであるAlexanderの脱退という不運に見舞われるも、Alexiが参加するもうひとつのバンド、SinergyのギタリストでもありAlexiの大先輩、元StoneのRoope Latvalaがその穴をすぐに埋めるというミラクルで今作は生み出された。
Are you dead yet? もう死んだのか?(いや、もちろんまだ死んでないぞ)という挑発的なタイトルも彼らが脂に乗り切っている証拠だ。

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2019年、人気最絶頂の中、バンドは惜しまれつつも解散し、その直後にAlexiの悲劇があっただけに、改めて今レヴューを書いていると色々と去来する思いがある。
本当に唯一無二のバンドだった。
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Alexi Laiho – lead guitar, lead vocals
Roope Latvala – rhythm guitar
Henkka Seppälä – bass, backing vocals
Janne Wirman – keyboards
Jaska Raatikainen – drums


▪️Living Dead Beat
キラキラシンセにヘヴィなベースとドラムが乗っかかりながら開始。
ミドルテンポのはずなのだが、ギターが1音につき弦を2回ヒットしているため、疾走系に勘違いしてしまいそうになる不思議なリフが印象的。
こんなに荒々しい曲なのに、コーラスの裏で鳴っているキラッとしたキーボードや、うねるようなベースがいろんなところで頭を出してきて、驚くほど精密な作りになっている。

▪️Are You Dead Yet?
アルバムタイトルにもなっているナンバー。
ディストーションのきいたモダンなギターサウンドで幕を開ける。
完全にアメリカを意識した音作りになっているが、Janneのキーボードがあるおかげで、従来のチルボドらしさも多少ながら残っている。
コーラスの「Are You Dead Yet!?」はライブでは全員必ずスクリームしないといけないところです。

▪️If You Want Peace… Prepare for War
超高速で低音域を駆け巡るリフと、突如として無機質なキーボードがスーッと入ってくるサウンドの組み合わせがまさに野心的でクールすぎる。
アルバム1、2を争うくらい攻撃的な曲。
ソロはAlexiとRoopeが交互に担当。
Alexiも相当なテクニシャンだが、それに負けず劣らず正確無比の超高速上昇下降フレーズを弾き散らかし、さすがのテクを見せつけるRoope、良いです。

▪️Punch Me I Bleed
チルボド史上、最も遅い部類にはいる曲です。
重々しい。ひたすらに。

▪️In Your Face
ベース、ギター、ドラム、ギター、シンセ、と1フレーズ1パートづつ増えていく何ともインテリなリフ。
全体のメロディ自体はシンプルにも関わらず、疾走したりミドルテンポに戻ったり、割と複雑な曲構成になっている。
とくにギターの旋律は聞こえてくる音以上に複雑なことをやってる。
このギターワークを弾きながら、歌えるAlexi、やっぱり只者じゃないわ。

▪️Next in Line
この曲はHennkaのベースの勝利です。
そこかしこでブリブリ鳴ってるベースが曲全体の屋台骨、暴虐性を支えている。
キーボードソロが北欧の空から見える銀河を連想させるかのごとくキラキラしてて思わずにやけてしまう。

▪️Bastards of Bodom
またもやブリブリのベースが曲の開幕を告げ、フックのあるギターオリエンテッドなリフから、ややNeedled 24/7の匂いを感じる前のめりなキーボードに移行する。
コーラスではブレイクダウンし、しっかりとモダンヘヴィな雰囲気を構築していく。

▪️ Trashed, Lost & Strungout
冒頭からアメリカンモダンデスのサウンドを散らしながら野心的に迫り来るリフは、既存のメロデス界で何年も同じような曲を書いてとパフォーマンスをして安穏としている奴らをこれでもかと煽りまくるよう。アレキシの創作アイディアの底知れなさを感じる曲。
Trashed, Lost & Strungout(ゴミのような、疲れ切ってボロボロになった)というタイトルをつけた曲が、今作の中でも随一のブルータルでエネルギッシュなのはなんともクール。


▪️ We're Not Gonna Fall
ヘヴィながらフックの効いたリフが耳に残って離れない。
アレキシのコンポーザーとしての才能を最後まで聞かせてくれます。
「We're Not Gonna Fall」(俺達は落ちていかない)というメッセージ性に満ちた歌詞とタイトルが彼らの勢いを感じます。
ギターソロは大アルペジオ上昇フレーズではじまる派手で&緻密でチルボドらしさ全開です。

総合満足度 93点 (死んだら墓前に供えて欲しいレベル)

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