CURRENTS『The Death We Seek』(2023)
USコネチカット州出身のプログレメタルコア・バンド CURRENTS。
2011年に結成され、2015年に『Life-Lost』でデビューを果たし、その演奏技術の高さに高評価が相次ぐも、メンバーチェンジを繰り返し固定が出来なかったが、それでも2018年にMiss May IやBorn of Osiris 、Fit for a king等と世界各地を回り、順調にファンを増やし、アルバムも出し続けていて、徐々に日本でも認知度は高くなってきている…気はする。
サウンドはヘヴィでタイトなリズム隊にメロディアスなクリーンVoと、強烈なブレイクダウンとグロウルを混ぜ合わせる事により、独自のカオティックな音像が特徴。
2023年に3作目となるアルバム『The Death We Seek』をSharpTone Recordsよりリリース。
全体的に正統派メタルコアをやっているのだが、最近復刻してきているNuMetalの香りもどこか感じる曲が多い。
ますますヘヴィになった音圧で熾烈なメタルコア界に爪痕を残せるか…!勝負のアルバム。
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Brian Wille-Vocals
Chris Wiseman-Guitar
Ryan Castaldi-Guitar
Dee Cronkite-Bass
Jeff Brown-Drums
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■The Death We Seek
開幕から激重リフの襲撃。
不穏に響き渡るハイフレットのギタートーンまも合わさって、どこまで行っても暗闇なのかと思わせておいて、、コーラスでは勇壮なクリーンボーカルが迎えに来て救われる。
アルバムタイトル曲を最初に持ってくるあたり、アルバムの出来に対する自信の表れか。
■Living In Tragedy
隙のないヘヴィネスが絶え間なく襲ってくるややアップテンポな曲。
リフが縦ノリ系のデスメタルで、これはモッシュ、ヘドバン強制です。はい。
コーラスのクリーンVoが入った時のグルーヴ感はまた違うアドレナリンが出ちゃうので、気をつけてください。
■Unfamiliar
クリーンボーカル比率多め、音圧高めのメタルメタルした曲。
Djent的なギターの振る舞いも高揚感を誘発する。
後半は一転、ややスクリーム配合率が増えブルータル度合いが増す。
■So Alone
クリーンボーカルが主導権を握りメロディアスに進行する前半から、強烈なブレイクダウンとグロウルが炸裂する中間部を挟み、ラストコーラスまで重々しいギターと再びクリーンボーカルがリードする後半へ流れ込む。
■Over And Over
激烈に重いリフにDjentギターが主張するNu Metalのかほりを感じながらも、コーラスではもはやメロディックスピードメタルの爽やかさをも感じる。
■Beyond This Road
ヘヴィでグルーヴィーなリフが相変わらず支配するチューン。
クリーンなシンガロングでコーラスを歌い上げた後は、引っ叩くようなブレイクダウン→静かなパートでクリーンしっとりボーカル→ラストのコーラスに流れ込むという王道コアパターン。
■Vengeance
今までの流れとは…明らかに違う…!
一切クリーンを使わずデスボイスのみでDjentに走るギターと並走して爆重空間を作り出している。
ERRAあたりのサウンドにやや近いか。
攻めまくっている一曲。
■Gone Astray
一転、これは出だしから甘いクリーンボーカルで歌いあげ、コーラスではスクリームするという良い感じの王道メロコアをやっている。
■Remember Me
クリーンギターの調べに乗せてしっとり目に歌う冒頭から、コーラスでは咆哮しまくりの陰陽の差が凶暴なチューン。
地を震わす地獄のようなガテラルも途中に挟み、メロディアスなシンガロングで感情を揺さぶってくる。
■Guide Us Home
音の厚みが半端ない壮大なメロコア。
前半は特にクリアなボーカルが主導権を握っているからまたさらにバッキングの重さが際立って、さらにブレイクダウンまで入れちゃうもんだからもうヘヴィネスの極みで重力に耐えきれなくて圧死しちゃうリスナーもいるかも。お気をつけて。
総合満足度 83点(死ぬ前に彼らのライブは絶対見たいレベル)