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Dragonforce 『Inhuman Rampage』(2005)

「俺はギタリストじゃない。ギターがちょっとできるただのゲーマーだ」発言でお馴染みイケメンHerman Li擁するUK発バカテクパワーメタル/メロスピバンド、Dragonforce


1999年にHerman LiSam Totman を中心にロンドンで結成。
当初はDragonHeartという名前だったが、同名バンドがいたことや、VoのZP Theartが加入したことで、2001年に心機一転、DragonForceに改名。
キーボーディストVadim Pruzhanovなどを加え、1stSingle『Valley of the Damned』をリリースする。
これがUKチャートで2週に渡り1位をマークし無事にNoise Recordsとの契約を勝ち獲り、同年、同名のアルバム『Valley of the Damned』をリリースする。
このアルバムのワールドツアー時に初来日も果たしている。

2004年にドラマーのDave Mackintoshが加入と同時に2ndアルバム『Sonic Firestorm』が発表され、前作を上回る高評価を得る。

ワールドツアーも前回より規模を拡大し、W.A.S.P.やIron Maidenといった大御所とコラボレーションした事で、世界的な知名度も急上昇、各国の音楽誌の表紙を飾ったり、有名なフェスにひっぱりだこになる。

そんな中制作された3作目『Inhuman Rampage』はRoadrunner Recordsに移籍して発表して初のアルバムで、『Through the Fire and Flames』が各地でネタスマッシュヒットしアルバムのセールスも大成功する。

INHUMAN RAMPAGE


Dragonforceの第一期の最高傑作であり、やりたいことが全部詰まった、全編ギター弾きまくり大会のアルバム。
20年も前だが、未だ色褪せないテクとトーンの色彩の花火は、世代を超えて引き継いでいきたい一枚である。

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* ZP Theart – lead vocals
* Herman Li – guitars, backing vocals
* Sam Totman – guitars, backing vocals
* Vadim Pruzhanov – keyboards, piano, backing vocals
* Dave Mackintosh – drums, backing vocals
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■Through the Fire and Flames
ご存知彼らを代表するネタソング。
Dragonforceを世界的に有名にした数々のテクやトーンが詰まりまくったHarman LiとSamTotmanがひたすらギターを弾くだけのメロスピメタル。
…と思いきや、コーラスはしっかりメロスピ王道メロディラインで盛り上げて、全体の構成も練られている印象。
決して勢いだけで作られた曲ではない。
ちなみにMVで見られる尺とアルバムで聴けるバージョンではギターソロの長さが異なり、アルバムでは3分くらいずっと2人で弾いてる狂気。



■Revolution Deathsquad
3:37からの勇壮なギターソロのユニゾンだけでご飯5杯は余裕のDragonforceというバンドをただただ愛でるためだけのスピードチューン。
歌のメロディライン的にZP Theartのポテンシャルを活かしきれてるかは微妙だが、やはりギター部隊の自己満足ソロにどこまで没入できるかがこの曲を楽しめるかのカギ。
大好き。


■Storming the Burning Fields
バグのような超速ピロピロギターで幕を開けるスピードチューン。しかし、ただ速いだけではなく、メロディの哀愁の妙もDragonforceの魅力の一つなだけに、それを遺憾無く発揮した一曲。
テンポダウンする中間部ではギター部隊は言わずもがな、Vadimのキーボードが冴えまくる瞬間が多い。


■Operation Ground and Pound
シンガロングコーラスに拳を突き上げともにシャウト不可避のメロディックスピードメタル。
コーラスからさらりと転調して展開に変化を持たせつつ、耳に残るフレーズを最高速で叩きつけてくる、アルバム一、二位を争うキャッチーな曲。
これでメジャーキーを一切使ってない作曲力もすごい。


■Body Breakdown
爆速で光の速さの如く駆け抜けるスピードメタル。
Harman Liの変態性と相変わらずのイケメン弾きが輝きを放つギターソロや変な効果音がてんこ盛りのパラダイスソング。


■Cry for Eternity
IronMaiden風メロスピ仕立のリフを冒頭から振りかざしながら、しっかりとDragonforceワールドに持って行く展開。
キラキラぽこぽこしたキーボードやHarmanのエレファントノイズも効果的に顔を出し、全体のアンサンブルにもよりバラエティ性が出ている。


■The Flame of Youth
同じようなスピード、サウンドなのに飽きずに聴けてしまうドラフォマジック。
解放感あるコーラスの広がりは、やはりただスピードだけを追い求めている数多のバンドとはセンスの根底から違うと思わせてくれる。


■Trail of Broken Hearts
いつになくソウルフルにZP Theartがなぞる美しいメロディラインを軸に流麗なギターが絡みつくしっとりバラード。

総合満足度 85点

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