AVATAR『Dance Devil Dance』(2023)
スウェーデン・イェーテボリ出身のメロディックデスメタル・バンド、ハードロックバンドAvatar。
2001年にドラマーのJohn AlfredssonとギタリストのJonas Jarlsby が前身となるバンドが解散したあとVoのJohannes Eckerströmを加えて結成。
当初はメンバーが流動的でまともな活動ができなかったが、2006年に1st『Thoughts Of No Tomorrow』でデビューすると、EUROPE、H.E.A.T、HARDCORE SUPERSTARといったスウェーデンが世界に誇るロックバンドが多数在籍するレーベル『Gain Music』と契約、多くのツアーやビッグネームのサポートも組まれ、輝かしいキャリアをスタートさせた。
特に2013年急遽Device がツアーキャンセルしたあとの代役としてA7Xと回った北米ツアーは、メタル大国アメリカで彼らの名声を高めるのに十分すぎるプレゼンスで、その後のMashroomheadやFive finger death punchとの全米ツアーも決まる等、一気に注目を集めることになる。
そんなツアーで忙しすぎるにも関わらず、2年おきにしっかりアルバムはリリースしており、制作も疎かにしていない姿勢は本当にすごい。前作から約2年ぶり9枚目となるフルアルバムをBlack Waltz abからリリース。
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Jonas "Kungen" Jarlsby - Guitar
John Alfredsson - Drums
Johannes Eckerström - Vocal
Tim Öhrström - Guitar
Henrik Sandelin - Bass
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■Dance Devil Dance
80年代ハードロック然とした粒揃いドラミングとクリーン&ディストーションギターのザク刻みに思わず懐かしみと共にニヤけが止まらない自分がいる。
MVは微グロなので閲覧注意。
■Chimp Mosh Pit
ゴリゴリうねるギターリフにヒステリックな高音コーラスが絡まるハードロック。
初期Motley clueやHanoi Rocks寄りのグラムロックの匂いも漂いつつ、令和の時代にこういうのを聞けると思わなかった。
■Valley of Disease
ツーバス連打と歪み切った厚みのあるギターリフに咆哮系グロウルがのるデスメタル曲。
コーラスはハードロック風味のクリーンVoで歌い上げるため、H.E.A.T、HARDCORE SUPERSTARらの影響を感じてしまう。
ギターソロは晩年のCOBを思わせるような野心に満ちたソリッドなメロディで良い。
■On the Beach
図太いリフとデス声でゴリゴリ進むと思いきや頼りない貧弱クリーンコーラスでズコーってなる。
しかし怒涛のギターソロへの雪崩れ込みから高速トレモロユニゾンソロがカッコ良すぎて、なんとも評価が難しい曲。
■Do You Feel in Control?
勇ましいコーラスとグラムロック調のリズムがなかなか耳を惹く。
狂ったように弾き散らかすギターアウトロも新鮮。
■Gotta Wanna Riot
パーティソングに80年代メロディアスロックのレリックをぶちこみつつ、Mr.Lordi風のスパイスも混ぜ込んで来て中々いい感じの陽キャソングになっている。
■The Dirt I'm Buried In
ストレートなハードロックチューン。H.E.A.T.やThe Rasmusに通ずるンプルでキャッチーで爽やかさなメロディライン。大好きなやつ。
ギターワークもさりげなくセンスが抜群です。さすがビルボードロックチャートで一位を取った曲。
■Clouds Dipped in Chrome
終始メタルコアの気を纏いながら、メロデス風のギターソロを決めたりするミドルテンポの曲。
■Hazmat Suit
軽快に走るポップなメタルチューン。
いい意味でメタルの軽さとキャッチーさが全面に出て何も考えずに聴ける曲。
■Train
ゆったりとブルース調バラードで始まり、突如アグレッシブなパートが殴り込みをかけてくる。
Avenged Sevenfoldを思わせるような曲展開。
■Violence No Matter What (Duet with Lzzy Hale)
HalestormのLzzyとのコラボ曲。
だが、ひたすら「Violence No Matter What 〜〜!!」って叫んでるだけ。
せっかくの異色コラボなのに、あまり面白味はない。。
総合満足度 80点(悪魔のダンスについていくにはまだ修行が必要と感じたレベル)