ERRA 『ERRA』(2021)
アメリカ アラバマ州出身のプログレメタルコアバンド。As I Lay DyingやMisery Signals等に影響を受け2009年に結成。2011年にアルバム『Impuls』でデビュー。
元Texas In JulyのJT Caveyがスクリーム担当として加入し、Jesse Cashによる伸びやかでメロディックな声質と混ざり合うことでより世界観が広がった。
そんな彼らのセルフタイトルを冠した2021年発表の5thアルバム。オーストラリアのレコード・レーベル UNFDよりリリース
今まで以上に曲もプロダクションも洗練されていて良いです。
Jesse Cash - Clean Vocal/Guitar
JT Cavey - Scream Vocal
Sean Price - Guitar
Conor Hesse - Bass
Alex Ballew - Drums
■Snowblood
スネア連打の激烈リフとギターのハーモニクスが所々に絡み合いうねり出されるバイブスは至極の一言。3年も待たせてごめんな!と言わんばかりのアルバムの幕開けを高らかに宣言する一曲。
■Gungrave
まさにGunの連射を思わせる冒頭リフから一転、爽やかなクリーンギターに導かれ、開放感のあるコーラスになだれ込む歓喜の展開。
ERRAの良いとこ、全部詰まってます。
■Divisionary
出だしから伸びやかなJesse Cashのハイ クリーンボイスとメカニカルなリフが絡み合う冒頭からもう涙と共に期待の波しか押し寄せない近未来メタル。最近のScar Symmetryを一瞬思わせるような展開もあり、大好物な一曲。
■House Of Glass
いきなり始まるテクいリフに思わず世界中のエアギタリスト諸君が一斉に指を動かす画が浮かぶ。
中間で突然迫り来るDrum Alex Ballewのツーバス連打のブルータル展開に襲われる
コーラス「Requiem〜♪」はシンガロング向きなメロディライン。
■Shadow Autonomous
ミドルテンポながらなかなかな変拍子を組み込んでくる変態テクバンドの真骨頂を見せつける一曲。
そんな複雑さとは裏腹に曲に漂うこの究極の爽やかさはなんだろう…
■Electric Twilight
電脳の波を漂うかのような電子的なギターサウンドとうねるようなベースラインが作り出す近未来サウンド。
■Scorpion Hymn
ドロドロとしたリフにグロウルやスクリームがこれでもかと乗りまくる。
この曲順でこんなコッテリしたデスコアを入れてくるあたり、このバンドの底知れないポテンシャルを感じる。。
■Lunar Halo
ヘヴィなリフとグロウルVoが引っ張るバースから突然闇が開けたかのようなコーラスの「Lunar luminescence 〜♪」が歌詞とあいまって美しい情景がありありと目に浮かぶ。
リフが相変わらずテクいです。
■Vanish Canvas
裏となく表となく全体を駆け回るベースのサウンドが美しい一曲。
アルバム全体に言えることだが曲名がカッコいい。響きといい字面といいセンスしか感じない。
■Eidolon
浮遊感のあるイントロから一転激しいリフがなだれ込んできたかと思えば、目まぐるしく変わるリズムに息つく暇さえ与えてくれない変拍子メタルデスコアな一曲。
最後は穏やかなリズムでゆっくり終わるのもにくいね。
■Remnant
ザクザク系のリフが開幕から襲い掛かり、Jesseの表現力豊かな歌唱がこれでもかと押し寄せる。
中間部はフュージョン的なニュアンスも振り撒きながら奥行きのあるサウンドのギターソロが展開される。
しかしだんだん同じような曲に聞こえてくるのはきっと修行が足りないせいだと思います。
■Memory Fiction
なんだただの涙腺直撃型の名曲か。
冒頭のピアノからもう泣かせにきてます。
Bring me the Horizonを思わせるもはや何にもカテゴライズできない逸曲。
総合満足度 80点(この一枚を聞いただけで来日ツアーのチケット購入を決めるレベル)