見出し画像

Asking Alexandria 『Asking Alexandria』(2017)

UAEはドバイで結成、UKを拠点に活動するポスト・ハードコア/ハードロックバンド。

2008年にリードギターのBen Bruceがドバイにてバンドを結成するも、メンバーは流動的でデビューもままならず、ドバイでは活動が難しいと判断、イギリス ノッティンガムに拠点を移す。
そこで知り合ったDanny Worsnopと新たなバンドメンバーを集め再び活動を開始、バンド名を新たに命名するにあたり色々と悩んだ挙句、BenがAlexandriaというワードをバンド名に入れるアイディアを思いつき、なぜかAskingという言葉を頭につけて、Asking Alexandriaの名前で2009年、スーメリアンレコーズから『Stand Up and Scream』でデビュー。
これはアメリカのHard Rockチャートで24位という好位置につけ、各方面から素晴らしい評価を受ける。

『Reckless & Relentless』 (2011)、
『From Death to Destiny 』(2013)、
『The Black 』(2016)と順調にアルバムをリリースしていく中で、徐々に音楽性が変化、デビュー時のメタルコア然としたサウンドから、スタジアムハードロックを意識した音像に変わっていく。

2015年にメインヴォーカルのDannyが脱退するものの、すぐに復帰。

そして本作はそのDanny復帰作第一弾にあたり『Asking Alexandria』というバンド名を冠した意欲作だが、かつての『Stand up and scream』の頃のソリッドで威圧的なハードコアはもうそこにはない。
もしかしたらもう一回アグレッシブ路線に…といったハードコアおじさんの淡い期待を粉々に砕く完全にハードロックバンドとして洗練された姿がそこにあるだけである。

Asking Alexandria



が、しかし寂しさみたいなものは全くなく、「これはこれで素敵やん☆」という激ポジ認定待ったなしの秀逸な一枚。

AAはエクストリームなメタルコア以外認めないという特殊なこだわりがなければ、良質なハードロックアルバムとしてガンガンにヘビロテをおすすめしたい。

———
Danny Worsnop – lead vocals
Ben Bruce – lead guitar, backing vocals
Sam Bettley –Bass
Cameron Liddell – rhythm guitar
James Cassells – drums
——-


■Alone in a Room
強力でまとまりのある音像と突き抜けるようなクリーンボーカルが印象的なハードロックチューン。
ボトムから煽り上げる感じもスタジアムロックとしての完成度を上げるのに一役かっている。


■Into the Fire
サイレンにも似たクワイヤが響き渡り、ベース、バスドラがズッシリと主張するナンバー。
サウンドはヘヴィだが、初期アルバムにあった鋼鉄のギラギラした手触りはなく、一般受けしやすい仕上がりに。


■Hopelessly Hopeful
オーディエンスを絶え間ないジャンプの波で覆い込むアップテンポな一曲。
2:36のDannyのシャウトは聞きどころ。



■Where Did It Go?
軽快なラップを挟みつつ、轟音で包み込む音圧強めなチューン。
本アルバムの中では割とハードコア寄りの一曲。


■Rise Up
Dannyの魂のクリーンandややハスキーなシャウトが堪能できるミドル〜スローテンポチューン。


■When the Lights Come on
Fallout boyの某曲にイントロがそっくりでお馴染みの曲。
ハンドクラップ混じりのレイヴ感溢れるグルーヴにヘヴィなギターが大地を震わせるように鳴り響く。


■Under Denver
シンセサイザーが所々に煌めくスローテンポのハードロック寄りのメタルコア。


■Vultures
アコギをかき鳴らしながらハードボイルドなハスキーヴォイスを撒き散らす荒野バラード。
最近のFive finger death punchがアルバムに一曲は入れてきそうなテイストの曲。


■Eve
Djent風ギター、デスシャウト、グロウル、ズッシリとメタルコアな一曲。
この曲だけは昔を思い出したかのような狂気の宴を催すコアチューンに仕上がっている。


■I Am One
グルーヴィーでメロディアスなリフをシンセサウンドで奏でながら、アップテンポに疾る曲。
爽やかさすら漂う気持ちいいハードロックナンバー。


■Empire (Feat. Bingx)
ラッパーのBingxのクールなリリックを高速で紡いだと思いきや、クリーンパートも歌っている…?
線の細いクリーンに続けてDannyの線の太いクリーンボイスに繋がる箇所もカッコいいし、最後電子音で味付けをする所もポストハードコアバンドっぽくてイイぞ。


■Room 138
強烈に叩きつけるビートと、爽快感あふれるヴォーカルラインに思わず激しく頭が持っていかれる。
こういう曲をしっかり終盤に入れてくるからAAの追っかけがやめられないんだよなぁ…最高です。


■Into the Fire (Radio Edit)
二曲目のRadio Edit。
所々アレンジが違う場所があるようだが、正直デモ版みたいな感じにしか聞こえず…


総合満足度 88点

いいなと思ったら応援しよう!