Miss May I『Curse Of Existence』(2022)
2007年にアメリカ オハイオ州でLevi Benton(Vo)、Justin Aufdemkampe(G)、BJ Stead(G)、Jerod Boyd(Dr)、Ryan Neff(B、Vo)というメンバーで結成されたメタルコアバンド。
2007年にセルフリリースでEPを出した後、2008年にフルレングスアルバム『Apologies Are for the Weak』(そろそろリマスター盤が出るという噂も…?)を発表、2010年には『Monument』を立て続けにリリースし、新進気鋭のメタルコアバンドとして全米に名が知れ渡る。
この頃からバンドのアイコンであるライオンをアルバムジャケットに使用しはじめており、「ライオンが登場しているアルバムは売れる」というジンクスが出来ているが、全面にどーんとライオンが主張しているこの『Monument』もリリース当初から各方面で好評で、全米ハードロックチャートで最高位10位をマーク。
Warped Tourをはじめ、Abandon All Ships、Sleeping with Sirens、 Bury Tomorrowら勢いのあるメタルコアバンドとの全米ツアーが決まる。
その後も2012年に『At Heart』、2014年に『Rise Of The Lion』、2015年に『Deathless』、2017年にはレーベルをSharpTone Recordsへ移籍して『Shadows Inside』をリリース、とコンスタントに作品を重ねているが、アルバムを追うごとに初期のゴリゴリのハードコア路線からは徐々にサウンドが変化しているのも事実。
特にレーベル移籍してからはクリーンの割合が増え、より実験的なサウンドが表面化してきている。
その流れでリリースされた本作『Curse Of Existence』は、個人的にはまろやかすぎず、ハード過ぎない過去一バランスの良いアルバムだと思える一枚。
ただ一つ難点があるとすると、サウンドプロダクションがちょっとこもっていて、プロデューサーのWill Putneyにちょっと物申したい気持ちもあったり。。。
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* Levi Benton – unclean vocals
* Ryan Neff – bass guitar, clean vocals
* B.J. Stead – lead guitar, backing vocals
* Justin Aufdemkampe – rhythm guitar, backing vocals
* Jerod Boyd – drums, percussion
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■A Smile That Does Not Exist
怒涛のリフと荒ぶるビートで開幕するメタルコアチューン。
Unclean VoのLeviの咆哮と、Clean VoのRyanの伸びやかな歌唱が重なり合い劇的空間を展開する。
■Earth Shaker
ダブルペダルか映えるキレッキレのビートにRyanの「Haywirrreee!!」「Running Oooout!!!」の伸びやかなシャウトにあわせて会場をモッシュで包み込むであろう強力な一曲。
■Bleed Together
カオティックで暑苦しい濃密なコアサウンドからの涼やかで美麗なコーラスが染み渡る。
Leviがやや潰れた声で「You will never know the pain that I’ve locked insideーーー!」を吐き出してからのモッシュパートになだれ込むメタルコア的な展開は瞳孔ガン開きポイント。
ホールのメタルキッズ達の首が否が応でも反応してしまう突然落とす強烈なブレイクダウンにも要注意。
■Into Oblivion
リフから疾走ビートから全てがジャーマンメタル。
メロディアスなギターソロも挟んでくる辺り、この曲だけ違う人が作ったんかなと思うくらい異彩を放っている。
最後にリズムを落としてしっかりとメタルコアの矜持を見せつけてくる所も含めて、好き。
■Hollow Vessel
ザクザクした攻撃的なギターワークとLeviの野獣的な咆哮、そして清涼感溢れるクリーンパート。
ヴァースからコーラスに移行する際に転調するのも転調大好きおじさんとしては見逃せない。
Jerod Boydが叩き出すハイテンション、ハイテンポで終始走り切り、最後はお決まりの強めのブレイクダウン。
■Free Fall
全身の血管が沸騰するような激烈サウンドの中に、ひとつまみの悲哀感を混ぜ込む、どこを切ってもMMI印のハイクオリティなメロコア。
前面で挑発する低音と、裏側で滑らかに爽やかにクリーンギターサウンドが交錯する贅沢空間が提供されるアルバムの中でも必聴レベルのチューン。
■Born Destroyers
欧州メロデスのような叙情的なギターが支配する。
2:35からの極悪低音ベースが顔を出してくる瞬間は低音フリークのみなさんのうれションポイント。
■Unconquered
ストイックに激情に任せて頭を振るだけのコアチューン。
ヘヴィで、ダークで、カオス。
「Unconquered!!!」でホールの絶唱を巻き上げるLevi Bentonの雄々しい姿が目に浮かぶ。
■Savior To Self
ピコリーモ的な電子音リフを混ぜこんだ一曲。
シンガロングポイントもあるが、コーラス自体はあまり印象に残らない凡な感じ。
■Bloodshed
重くて濃密ではあるものの、アルバム最後を飾るにはやや地味めの曲。
総合満足度 85点