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Turnstile『GLOW ON』(2021)
先日発表されたFUJIROCK’24のラインナップにも名を連ねたUSボルチモア出身のハードコアパンクバンド、Turnstile。
メロディアスかつタイト、そして幻想的なリヴァーヴサウンドをたまに混ぜるギター、大仰なドラム、パーティスピリットあふれるボーカル、実験的な電子音を割と唐突に散りばめる勇気。
パンクのアティチュードとハードコアのストイックさをミックスさせたUSのラウドシーンでは超重要アクトと認識されているバンド。
2018年の前作『Time & Space』がハードコアファンだけでなく、メロコア、パンク、オルタナ、メタルの各ファン達をも歓喜させたのが記憶に新しい所だが、この4thアルバム『Glow On』もそれに勝るとも劣らない出来。
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パンク、メロコアの既成概念に挑んだ一枚。
Mike ElizondoとフロントマンBrendan Yatesの共同プロデュースとなっている。
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Brendan Yates – vocals ,art direction
Franz Lyons – bass ,vocals
Brady Ebert – guitar
Pat McCrory – guitar
Daniel Fang – drums
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■MYSTERY
可愛らしいぴろぴろ電子音から始まりすぐにグルーヴ感溢れるディストーションギターが掻き鳴らされるミドルテンポチューン。
ハードロック然とした分厚い音像ながらパンクの爽やかさを忘れない曲作りでまずは一安心。
■BLACKOUT
音圧強めのエネルギッシュなギターリフが印象的なパーティスピリット炸裂ソング。
途中カウベルのぽこぽこ音がかわいくて、センスの塊だなって思ってしまった。
2:15あたりで一瞬終わるのかな?と思わせとおいてブレイクダウンするのエグい。
■DON'T PLAY
グルーヴィーに引っ張ったかと思いきや、突如フックが掛かったトリッキーなリフで疾走。その後のピアノのエモいメロディは清潔感あるし、どこかメキシカンなリズムは新機軸で、狂ったように一瞬で弾き倒すギターソロには思わず拳を握り締めてしまう。
短いながら情報量の多い曲。
■UNDERWATER BOI
Blurあたりのブリットポップを想起させるようなボーカルラインと浮遊感あるクリーンギターリヴァーブが印象的な曲。
■HOLIDAY
初期SUM41やOffspringを思わせるオールドスクールパンクから、ヘヴィなノリのグルーヴに突入。
ヘドバンは必至。
■HUMANOID / SHAKE IT UP
パンキッシュなリフから始まり、突如重くてタイトなメタルリフへと変化していく楽しい曲。
■ENDLESS
Linkin Parkよろしくキャッチーにシンガロングできるスタイルで、スタジアムを大合唱の渦に巻き込むことでしょう。
■FLY AGAIN
ピアノからしっとり始まるかと思いきや、
分厚く刻むギターワークが支配するミドルテンポチューン。
クリーン&ちょいリヴァーヴギターでソロを弾くのがメタルっぽくて○
■ALIEN LOVE CALL
ブラッド・オレンジをフィーチャリングした浮遊感のある曖昧で幻想的なトリップソング。
昔ドリームポップとか呼ばれてたジャンルの曲。
■WILD WRLD
再びカウベルがぽこぽこいいながら疾走するパンキッシュな爽やかソング。
■DANCE-OFF
SUM41的なキレのあるグルーヴィーなリフに乗ってシャウトするミドルテンポチューン。
■NEW HEART DESIGN
80年代ダンスポップの爽やかさと、時たま顔を覗かせる厚みのあるメロコア風ギターリフがクセになる曲。
■T.L.C. (TURNSTILE LOVE CONNECTION)
パンキッシュに走る前半とガッガッと切り刻むリフが印象的な後半で様々な音色が楽しめる。
■NO SURPRISE
宇宙感溢れるふわっとしたインタールード。
■LONELY DEZIRES
かっちりとしたリズムでパンクしてるバンドサウンドに再びブラッド•オレンジの水面を漂うかのようなふんわりボーカルがのる絶妙なアトモスフィアを含んだ曲。
総合満足度 82点(回転式ゲートを永遠にリピートしたいレベル)