腎臓のこと
慢性腎炎のことについて書いておきます。
腎炎の診断を受けたのは20代中盤でした。会社の健康診断の尿検査で「尿潜血」を指摘され、即病院にかかりましたが何故か「異常なし」の診断が出ました。
「まあ何もなくても潜血は出ることがありますから」
他の病院に行っても同じ診断。確かに、他に身体症状なんかはありませんでした。それでも納得できずにいくつか病院を回ったのには、理由がありました。
その頃の私はただただ、仕事が嫌で嫌でしょうがなかったのです。
いっそ病気ということにならんかなあと思ったのです。この頃から性根は腐っている方です。もちろん今は違います。さらに腐っています。
そして何番目かの病院で「円柱出てますね。腎生検(腎臓に針をぶっ刺して組織を取る検査)受けた方がいいですよ」と紹介状をもらい、その地区一番の大病院で見事、慢性腎炎の診断を下されたのでした。
(その後私がその診断書で何をしたかは、伏せておきます。会社には申し訳ない気持ちでいっぱいです。いや、ほんとに)
私が患っているのは慢性糸球体腎炎の中でも「IgA腎症」と呼ばれるものとなります。
いや、正確には、「IgA腎症」と呼ばれるもの「ということにしています」。
すでに10年以上自分で「IgA腎症」を名乗っていて、健診の時も20代の時に大きな病院で腎生検をして診断されましたと、医師に確定事項として喋っています。喋ってるのですが、
が、
実は、私、告知されておりません。腎生検をした大病院の医師は私に「慢性糸球体腎炎」としか言ってくれなかったのでした。IgA腎症というのは、その後Web検索していて「いやん私の症状これやん!」となったのでそう名乗っているのです。
はい。まごうことなき自己診断です。
だから「腎生検でIgA腎症と診断された」は、厳密には嘘なのです。最近「非IgA腎症」という文字をネットでちらと見かけ、そんなんあるんかよ、とこっそり冷や汗をかいているのです。まあ、再度腎生検をするなんてことがない限り、違っていてもおそらくバレないのでしょう。
IgA腎症は基本対症療法しかなく、病気というよりアレルギーのような「体質」です。そもそもIgA腎症はアレルギーとの関わりを疑われていたような気がします……と、自分の記憶で書きつつ、記憶を補強するため「IgA腎症」でWeb検索をかけたところ、なんと最近指定難病に加わってたんですねIgA腎症。まじで。補助とか出るんでしょうか!!
傷んでしまった腎臓は、火事に例えられるそうです。一度芯まで燃えてしまえばあとでいくら水をかけても元には戻らない。不可逆ということです。建物は燃えたところが70%を越えると全焼という判断になるそうですから、つまり私の腎臓は間違いなく、丸焼けです。
焼け跡を抱えてこれからの人生です。さて、どうなるんだろう。