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募金

ちょっと聞いてくださいよ。この前ちょっと大きな駅に用事があって行ったんですよ。まあ用事って言ってもポケモンGOなんですけどね。

そしたら、駅前で金切り声を張り上げてる団体がいたんですよ。

「***ちゃんを助けてくださーーい!!」

「生後8ヶ月の女の子でーーす!」

「アメリカで心臓移植を受けるために、ご協力お願いしまーーーーす!!」

はい来た。よくある赤子の心臓移植募金。目標額2億5千万だって。


私は個人的にこういう街頭募金はうさんくさく感じてしまうのです。私が子供の時にはどう考えても「俺の夕食に愛の手を!」みたいな怪しい男が募金箱抱えていたりもしました。むしろ最近は共同募金やあしなが育英会など大手が多くて怪しくはないですね。お金は入れないんですけども。

こういう心臓移植募金はなんせ目標額が膨大なので、うさんくささが増すのです。日本では15歳未満の臓器移植はできませんから、移植しようとすれば渡航するしかない。渡航費もかかる。アメリカは医療費がバカみたいに高いのも有名ですから、億単位になるのはまあ、そうかなとも思うんですが。


そりゃあ8ヶ月の赤子は可愛いでしょうよ。心臓の病気ともなれば親の心配は私にだってわかります。

しかし、残念ながら私は最近「移植」という言葉を聞いてしまったんですよ。当事者として。そうなるとまた心情が変わります。「心臓移植をしないと助かりませーーん」とか叫んでいる声が、以前とはちょっと違って聞こえてしまう。

例えばほら、私がこの駅前で募金箱持って声を張り上げたら、かわいそうに思ってくれる人がいるんでしょうか?

「ぎんなんちゃんを助けてくださーーい!!」

「生後50年の女の子でーーす!」

「腎臓移植を受けるために、ご協力お願いしまーーーーす!!」

いないだろうなあ。生後50年の私は可愛くもなんともありませんし。

でも何が違います? 私にだって親も家族もいますから死んだら多分悲しみますよ。かわいそうなのは同じです。え、同じじゃない? 何が違うんでしょう?

赤ちゃんは生まれつき病気だからかわいそう? IgA腎症だって生まれつきみたいなもんだ。大人なんだから日本で移植できるだろう? 腎臓のドナー待ち行列、すごいっすよ。調べてみてください。15年待ちだって。

生後8ヶ月の可愛い女の子と、生後50年の可愛くない女の子。

前者に募金が集まって、後者に募金が集まらないのはなんででしょう? そこで決定的についてしまう差って、なんでしょう?

よく調べてみると、そもそも医療費がこんなにかかるのは、アメリカの医療費が高いからだけではなくて、「臓器移植はなるべく自国でやりやがれ」というイスタンブール宣言が2008年に採択された影響で、値段がつり上がってるということらしいのです。つまり、アメリカは外国人の受け入れを減らしたくて吹っかけているのです。それでも日本人は募金で億の金を調達してチャーター便で飛んでいくのです。アメリカだって、赤子に心臓移植をさせようと考えられる親は、相当手厚い保険に入っているか、富裕層だと思うのです。


まあ、何が言いたいかと言うと別に何が言いたいわけじゃないのです。批判されようが何だろうが親は子供を助けたいと思うし、それに賛同する人は募金したらいい。それだけです。あ、言いたいことがひとつありました。

ライコウの色違い取れたぜーーー! やっふぅ!

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