【トラウマ治療】治療者を探し始めてから、出会うまで
わたしが「トラウマ治療」の存在を知ってから、実際に治療を始めるまでの道のりを書きます。
大まかな流れは、
⓪自力だけでなんとかしようと足掻く
↓
①先駆者の声に出会う
↓
②安く済ませようと足掻く
↓
③無理してでも早く終わらせようと足掻く
↓
④技術があり、無理のない治療の場に辿り着く
というもの。
おそらくサバイバーあるあるの思考や失敗がてんこもりなので、これから、という方はぜひ参考にしてください。
既に同じ道を辿られた方は、苦笑して、笑い飛ばしていただけると幸いです。
①「トラウマ治療」という概念との出会い
誠に恥ずかしながら、私は、心理職の仕事をなんとなく馬鹿にしていた。
カウンセリングルーム?そんなもの、独りでは思考を整理することもできない、弱くて愚かな人間が、わざわざお金を出して手助けをしてもらう場所だろう。(※対人恐怖由来の認知の歪みです)
それに、自分は賢いのだし、別に命に関わるようなことをされた訳でもない。だからこの程度の傷は一人で解決すべき類のことだろう、と思っていた。
実際、小学校高学年ごろからセルフ認知行動療法に取り組み、ありがちとされる認知の歪みはおおかた自力で取り去っていたから、この思い込みが強化されてしまったのだ。
それでもフラッシュバックや解離(当時はそれと気づいていない)が根強く、苦しんでいたところに、三森みささんの漫画に出会った。
衝撃だった。
1話のみささんの姿が、びっくりするほど、母からたわいもない連絡を受けた時の私の姿に重なったから。
日常生活は送れているから問題ない。そう思って見ないようにしていた自分自身を、初めて外部から客観的に見た気がした。
また、「自分に足りなかったのは身体療法だった」の文言も、ものすごくしっくりときた。
「これ、症状なんだ。つらいと思っていいんだ。心理療法…EMDR?とやらを受けて、私も楽になりたい…!」
そんな気持ちが、数ヶ月かけてじわじわ心身に浸透してゆき、ついに私はトラウマ治療への第一歩を踏み出したのである。
②大学院生によるカウンセリングルーム
治療を受ける。
そう決めたとはいえ、被害者である自分が、お金も時間も自腹で捻出しなければならないのが許せなかった。
タダでは無理なのはわかってる。でも、せめて、なるべく安く済ませたい。
そんなわけで、とにかく安さ重視で探したところ、近所の大学の相談室がヒットした。
院生が練習を兼ねてカウンセリングするので、1時間あたり3000円とお安くなっている。
問い合わせから1ヶ月後に挑んだ初回面談では、しんどい生育歴をがっつり聴取された後、「ここでは認知行動療法ができます。EMDRは、専門の研修を受けた人でなければできないのです」と説明を受けた。
ぬおお!私はEMDR(か、それに近しい魔法のような心理療法)を受けたいんじゃい!
…というわけで、2回目以降の面談を辞退した。
・EMDRは大学院生には無理で、訓練を積んだ人しかできない、という知識を得た。
③職場の福利厚生のカウンセリング
大学院生のカウンセリングに足を運んだ後に、職場と提携しているカウンセリングルームの存在を知った。
職員であれば無料。ただし、年度あたり6回までの制限あり。
そのカウンセリングルームでは、私が話し出したテーマについて、適切に質問を返してもらい掘り下げてもらった。
よいカウンセラーさんだったと思う。
だが、私の側に、「回数が限られているのだから、絶対に実りある時間にしなければ」という気負いが強かった。回を重ねるにつれて、「いま困っている些末なことよりも、諸悪の根源にアプローチしなければ」と焦り、まだ向き合う準備が整っていない大きな傷に突っ込んでいくようになった。
(おそらく、頭で考えて、焦りに任せて限界を超えて頑張ろうとするのはAC特有のムーブで、トラウマの研修を受けていない心理職だと、それを止めることが難しいのではなかろうか…)
カウンセリングに足を運ぶたび、苦しい記憶と真っ向から向き合った。鮮明に蘇る感情をもろにくらって、心がボロボロになるのがしんどかった。
ある日、自分を守るための防衛機制が働いたのか、突然場所がわからなくなって、行けなくなってしまった。
・無理して先を急いでも、土台がないと崩れることを感覚的に理解した。(基礎ができてない状態で入試問題に挑んでも無駄なのと同じであろう…)
④トラウマのプロのトラウマケアセラピー
うん。
ガチのプロでないと、私を捌くのは無理だ。
私が必要としている技術には、相応の対価が必要なのだろう。無念だが納得した。
でもなあ…しんどい身体を引きずって出向いて、高いお金を出して、それでダメだったときが怖いんだよなあ。
それに、調べようとするだけで、「私は治療が必要な状態で、異常なんだ」って責められているような気持ちになるんだよなあ…。
それでしんどさが増すから、うえええ、ほんとに気が進まないよう………。
そんな気持ちでしばらくサーチを放棄し、でもTwitterは惰性で見続けていたある日、素晴らしい投稿を見つけた。
トラウマ治療の治療者リスト一覧。
— 浅井伸彦(臨床心理士ほか)新刊「公認心理師ハンドブック心理支援編」7/19刊行予定 (@StarryeyedTH) January 23, 2024
下にないので有名なトラウマ治療としては、持続化曝露療法、認知処理療法、自我状態療法、ブレインスポッティングなど。
治療者リスト作ってなかったりするので、一括できるといいんだけど、それぞれ団体が違うから難しい。…
こ、こ、これですわーーー!?!?
わざわざ調べなくてもまとまっていますわーーーー!?
一応、同じリンクをここにも貼る。
EMDR学会治療者リスト
SE治療者リスト
https://www.sejapan.website/sep%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%8C%E3%81%99/
TFT治療者リスト
ボディコネクトセラピー治療者リスト
ホログラフィトーク治療者リスト
これらのリストを上から順にチェックしてゆき、真摯に癒しに向き合っていそうだ、と直感でピンときた人に連絡をした。
現在の心理士さんは、セラピーが「ただ無理して頑張り続けて終わる場」にならないように声掛けしてくださるので、通い続けることができている。
それだけではなく、なんというか…自学自習での治癒スピードを「1」とするなら、セラピーで「10」進む&その後のセルフでの治癒に都度ブーストがかかるような、そんな感覚がある。ドラクエでいうなら、自習は雑魚敵、セラピーははぐれメタルかもしれない。
自分に合ったプロを味方につけると、ものすごく強力な追い風になると実感している。
以上が、私がトラウマ治療を本格的に始めるまでの道のりです。
これからの人は気長に頑張ってください。
このnoteが一助になれば幸いです。