壁をこえる
オリンピック選手の壁と仕事の壁
パリオリンピックが始まりました。
スポーツ選手・アスリートのインタビューを聞くと、必ず皆壁にぶちあたり、それをこえた話をされます。
そして、全員がその壁にあたったとき、人のせいにはしていません。
他責にしていません。自分で受け止め、なんとか克服しようとされています。
当然といえば当然で、自分の能力がすべてにかかわってくるスポーツにおいて、他責にしていても何も変わらないですね。
一方、ビジネスにおいては、他責にするのをよく見かけます。立派な会社をつくられた人でも、多くの大企業の経営者でも、経済・環境のせいにする言動を聞きます。
小さな話では、この案件がうまくいかないのは誰々のせいというふうに責任を押し付けるようなシーンはよくあることです。
そこで、人を変えることで仮にうまくいったとしても、それはその人の功績であって、自分ではありません。
他責にしているかぎりは、なかなか壁はこえられないものです。
アスリートは、壁にぶつかりもがいているときに、コーチや監督ほかのひとに助けられ、なんとか克服することができたと話されます。
壁にあたったときに、懸命にもがいている姿を見て、助けてくれる人がいます。助けるということでなくとも、ふとした言葉や、助言、アイデアが解決の糸口になることがあります。
キャリア理論で計画的偶発性理論(ブランドハップンスタンスセオリー)があります。成功した人にインタビューしたところ、成功の8割は偶然の出来事が左右しているというものです。
他責にしているかぎり、偶然の出来事をチャンスに変えることはできません。
アントニオ猪木の壁
スポーツの世界でも、自分ではどうしようもない壁があります。ルール変更がそうですね、ある日突然自分の得意な技が禁止になる。とくに強すぎた場合、そのようなルールの変更がなされるときがあります。
アントニオ猪木さんは、さまざまな壁に立ち向かいそれを超えてこられました。
その中でも、もっとも印象にのこるのは、モハメッド・アリとの世紀の一戦です。
異種格闘技で、アリのパンチを受けると当然ノックアウトする。猪木の寝技や延髄斬を受けた瞬間立ち上がれません。そういった一触即発の中で、ルールはアリサイドの要求をすべてのんだ状態で戦いに挑まれました。
猪木は、絶対にこの試合を成立させる想いで、すべてのルールを受け入れ
ます。相手のせいには一つもしていません。
その想いが、世紀の一戦を生みました。1996年のアトランタオリンピックの最終聖火ランナーとなったモハメッド・アリとの友情が芽生えました。
この世紀の一戦も、上記のエピソードが語られる前は茶番と揶揄もされていました。しかし本当に格闘技を見る目がある人には、これほどの世界チャンピオンと本気で真剣勝負を繰り広げた猪木、この一戦を絶賛しました。
”この道をゆけばどうなるものか、
危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし、踏み出せばその一歩が道となり、その一足が道となる。
迷わず行けよ 行けばわかるさ” 「道」
*アントニオ猪木が引退試合で披露した詩です。
「仕事の壁をこえる自己成長マトリックス戦略」の第一章を、ごきげんビジネス出版さんのnoteにて公開されています。