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Rider's Story 変わり始めるとき
割引あり
バイク小説短編集 Rider's Story 僕は、オートバイを選んだ
武田宗徳 オートバイブックス 収録作品
今でも後悔していることがある。
二年間片思いだった女の子に告白できないまま高校を卒業してしまったことだ。今は、大好きになった彼女がいる。それでも、高校時代のその後悔は消え去ることはない。それなら高校時代に片思いだった彼女に、いま会ってあの頃の想いを告げれば、後悔は消え去るのだろうか。そうではない。あの時、あの高校時代に告白できなかったことが悔しいのだ。
あれから六年経った。彼女の顔も思い出せない。淡い思い出となってしまった。
そのことがあってから僕は、自分に度胸という自信が持てないまま、現在に至る。
今の彼女に「ツーリングに行ってくる」と携帯に連絡を入れてから、僕は自宅を出発した。
先月購入したオートバイの慣らし運転が終わり、初めてのツーリングに行くのだ。二十四で初めてのツーリングというのは、遅い方なのだろうか。大学卒業して社会人二年目になってから自動二輪免許を取得したのだ。
僕は変わろうとしていた。新しいことを始めたかった。そして、自分に自信をもてるようになりたかった。
僕は、オートバイを選んだ。
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