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Rider's Story 原付とスーパースポーツ

割引あり

バイク短編小説 Rider's Story 原付とスーパースポーツ
 武田宗徳(オートバイブックス代表・執筆家)

  オートバイ歴は十五年。オートバイ好きが高じて三年毎に乗り換えてきた。GB250クラブマンから始まり、ゼファー400、CB750、CBR1000RR、そして現在は、ヨーロッパメーカーのスーパースポーツだ。仕事はさらに忙しくなり、一年に数回しか乗れていない。しかし、そのおかげで欲しいオートバイを手に入れることができている。
 それでも最近、私は何か物足りなさを感じていた。何なのだろう、この感情は。自分でも、よくわからなかった。
 そんな折、同僚がオートバイを買った。モンキーだ。二輪免許が無く、忙しくて免許も取りに行けず、それでもオートバイが欲しくて、彼は50ccのモンキーを購入した。彼は、こんな風に言っていた。
「風を切って走って、季節を感じて。こんな世界があるなんて、俺知らなかったよ。改造パーツもたくさんあるしさ、そのうちカスタムにも手を出そうかな」
 排気量がたった50ccのオートバイなのに、こんなにも楽しそうに、そして生き生きしている彼を見て、私は驚いた。と同時に、あることに気づいた。

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