Rider's Story タンデムシート
割引あり
バイク小説短編集 Rider's Story 僕は、オートバイを選んだ
武田宗徳 オートバイブックス 収録
彼女専用のシートだった僕のバイクのタンデムシートに、彼女が跨ることはもうないだろう。そう思うと、純粋に寂しい。
僕のバイト先に新しく入ってきた女の子が、彼女だった。普通に喋るようになったのは、一、二週間経った頃だろうか。ごく自然に話すようになった。第一印象では、僕は彼女に特別興味を持ったわけでもなく、たぶん彼女の方も僕に特別興味を持っていたわけではなかったと思う。だからこそ、二週間たった頃には、自然に、普通に話せるようになったのだと思う。
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