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山田先生の「伝蔵」は「傳藏」なんだけどそれで思い出した

 おはようございます。

 気候変動のせいで朝いちから暑いので「う〜あちいあちい、こんな朝早くから出歩いてるのなんて、俺と野良猫くれえなもんだぜ……」という逆の『芝浜』みてえな状況になってますが、

 いま書いてる記事の冒頭部分で、

 “記事のヘッダー画像は、ポリンキーの歌を歌いつつも最近はポリンキーよりももっぱらドンタコスばっかりくってる裏切り者の図です。”

——The Authentic Japan® 『ポリンキーの三角形のひみつ探ってたらお盆終わってた』

って書き始めたところでいきなり話が逸れて長くなっちゃったので、ポリンキーに関係ない部分の記事を切り分けました。

 もとの書きかけの記事の中ではこれ註釈扱いしてて引用の段落を使って書いてたのですが、そのままの形でここに引っ張って貼り付けておきます。

 では早速本題に入ります。いや、本題じゃない方の話なのか。とにかく「もっぱらドンタコスばっかりくってる」って書いたところで、

 「もっぱら」で思い出した、みんな「専ら」と「博士」の「丶」が付くの付かないのについてややこしがっていると思う。

 まず「専門」は「門」についてもややこしいので「点なし口なし」って覚えてるが、「専」と「尃」についていえば、これは何度も同じ話題に触れるけど戦後に「新字体」を作るときにしょうもないことしたせいで混乱を生んでるのであって、

「$${ \overbrace{ \overset{{}^{くに}}{國} }^{ 国^{\,の}_{\; 旧字} } \; \overset{{}^{やぶ}}{破}_{レテ} \; \overset{{}^{さんが}}{山 \; 河} \; \overset{{}^{あ}}{在}_{リ} }$$」で始まる『春望』はみんな学校で習うだろうし、サンガリアの社名の由来にもなってるので作者の杜甫については名前を知ってる前提でいうと、

この「甫」に「寸」を足したのが「尃」で、これを音符に持つ、つまり「ホ」と同じような音で出来てる字が「博士」の「博」なのだが、新字体では「用」みてえなとこを「田」に作り変えたせいで、同じく新字体で「專」を「専」に、

つまり上部の「叀」の $${「 \begin{cases}{} 田\\厶 \end{cases}{} 」}$$ から「」を削った為——

 同じことを「惠」にもしてるので人名によくある「めぐみ」にも「恵・惠」が二種類あるかと思う。

——ややこしくなっているというわけである。

 そして「甫」が音符に入っている形声文字については同じ解釈できる字がたくさんある一方で、「叀」が入ってる字はせいぜい「専ら」と「恵み」しかないので、このふたつ以外、もしくは「ハ行」っぽい音で出来てる字なら点が付く、ということが念頭にあれば書くとき別段困ることはない。

 それより個人的には「軽い」(旧字: 輕)と「転ぶ」(旧字: 轉)とをとっさに書き分けられなくて、書いた瞬間に「こっちじゃない」ってなったり、「『ケイ』だから『巠』だから〜」とか言いながらじゃないと一発で書ける確率が五分くらいなんですが、わたしだけ……?

cf. Wikipedia: 『ラストエンペラー

$$
\begin{array}{}
【甫】 &\cdots&
ハ行_音 \begin{cases}{}
\overset{{}^{ハク}}{博}覧\\
\overset{{}^ボ}{簿}記 \\
\overset{{}^{ハク}}{薄}膜 \\
\overset{{}^フ}{溥}儀 \cdots
\begin{cases}{} \; \underset{ \text{Aisin gioro\;Pu i} }{ { \overset{ {}^{あいしんかくら \, ふぎ} }{愛新覚羅 \, 溥儀} }} \\
\\
\, = \underset{{}_{清朝最後の皇帝}}{\overset{{}^{せんとうてい}}{宣統帝}}
\end{cases}{}
\end{cases}{} \\
\\
【叀】 &\cdots&
{}^{この} \, 2{}_ヶ \begin{cases}{} \overset{{}^{セン}}{専}売 \\ \overset{{}^{ケイ}}{恵}沢
\end{cases}
\end{array}{}
$$

 ちなみに、個人的に混乱してるこの「軽い」と「転ぶ」の新字体を逆手に取った略字もそれぞれあって、

 まず「軽い」の方は、京成立石駅の改札内に「日暮里経由は」の「経由」を「圣由」と書いてある手書き看板があり、結構好き。

 これは「経」から音を表す「圣」だけ抜いてきたもで、旧字体でいえば「經」の音符の「巠」だけ取り出して、「軽トラ」の「圣」のように新字体で作り変えたのを当てはめたものである。

 でもこの「圣」って厳密には「聖」の別字らしいから違う字で、日本特有の略字みたいだけど……

cf. 東洋経済オンライン『「飲み歩きの聖地」京成立石が大変貌する理由

$$
\begin{array}{}
【巠】 &\cdots&
ケイ_音 \begin{cases}{}
\overset{{}^{ケイ / \, 旧: \, 經濟}}{\! \! 経済} \\
\overset{{}^{ケイ / \, 旧: \, 輕}}{軽便} \\
\overset{{}^{ケイ / \, 旧: \, 頸}}{頚椎} \\
\overset{{}^{ケイ / \, 旧: \, 莖}}{\, \, 地下茎}
\end{cases}{} \\
\\
【專】 &\cdots&
セン_{みたいな音} \begin{cases}{}
\overset{{}^{テン / \, 旧: 轉}}{転籍} \\ \overset{{}^{デン / \, 旧: 傳}}{伝達}
\end{cases}
\end{array}{}
$$

 次に「転ぶ」のほうというと、これは「轉」の「專」の部分を、草書体の形を楷書体に逆輸入した形で「云」に置き換えたもので、同じことが「伝える」の「傳」でも起こっている。

 この部分を、先程の「專」と「尃」の混同のドサクサにまぎれて、

cf. ピクシブ百科事典: 山田伝蔵

$$
\begin{array}{} 薄
\begin{cases}{} 艹\\溥 \cdots \underbrace{氵\! 尃 \,}_{} \end{cases}{} \\
\hspace{4 em} \overbrace{氵\! 云 \,}^{||} \\
\\
\overset{{}^{なぜならば}}{\because} \quad \overset{{}^{デン}}{傳} \risingdotseq \underset{{}_{フ \, だけど}}{\overset{{}^{ほんとは}}{傅}} = \overset{{}^{デン}}{伝}
\end{array}{}
$$

と書いている略字をこの間見かけて、これは便利〜と思ったので覚書をしておいた次第だった。

cf. Wikipedia: 備忘録

……と、ここまでが『ポリンキーの三角形のひみつ探ってたらお盆終わってた』という、いま下書きしてるんだけど話が無限に逸れていつまでたっても書き終わらない記事の、それもそもそも『非行少年方式でケーキを三等分したい』っていう記事の話が逸れ過ぎたので切り分けた記事なんだけど、

もう一度いうと、その話が逸れた話のまえがきのところで更にいきなり話が大きく横道に入ってしまったので、またそこだけ切り出して別個の記事にしたものが、この記事です。

 また暇なときに書きます。

 あ! いまこの下の署名書いてて思い出した、去年末に出願した “The Authentic Japan“ の商標権が先日取れたみたいです〜! うれし〜!! 代行と登記代でそれぞれ三万円強ずつかかってひっくり返ってますが。

 また来ます。

——5°52′ a.m., Thu., 22nd August ’24,
The Authentic Japan®

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